Project/Area Number |
21K15139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 44050:Animal physiological chemistry, physiology and behavioral biology-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
冨菜 雄介 北海道大学, 電子科学研究所, 特任助教 (70835959)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 膜電位イメージング / コネクトーム / 環形動物 / 神経生理 / ニューロン / 多機能性神経回路 / 無脊椎動物 / ヒル / 多機能回路 / シナプス / 神経回路 / 画像解析 / 電気生理学 |
Outline of Research at the Start |
神経回路を構成するニューロンが複数の行動や知覚において機能する場合、これを 多機能性ニューロン(multifunctional neuron)と呼ぶ。本研究では「生理学的知見と解剖学的知見の“直接的”な融合」という視点に立ち、多機能性神経回路の機能 を支えるメカニズムを生物学的に理解を目指す。そのため、これまでに取得した大規模なヒル神経系の機能的コネクトームデータをモデルとして、 多機能性神経回路網が多様な行動を生成するための神経基盤の解明を目指す。具体的には、「多機能性ニュ ーロン群は各行動に対応したシナプス電位統合部位を有する」という仮説を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「生理学的知見と解剖学的知見の“直接的”な融合」という視点に立ち、複数の行動や知覚において関わる多機能性神経回路の機能を支えるメカニズ ムの生物学的理解を目指す。そのために、神経回路レベルでの解析において類い希な有利性をもつヒルをモデルとして、先行研究で得られた機能的コネクトーム データを活用する。具体的には、遊泳と這行の2種類の移動行動に焦点を当て、「多機能性ニューロン群の各行動に対応したシナプス電位統合部位を有する」と いう仮説を検証する。 本研究計画では、まずはヒル神経系の機能的コネクトームデータを利用して多機能性神経回路の構成要素について探索を行い、次にそのデータ に基づいた実験・理論的な研究を行う。本研究で明らかにする範囲は、多機能性ニューロン群の神経突起上におけるシナプスの空間分布と、その解剖学的特性が有する生理学的機能である。 本年度は、Google Colaboratoryを用いて、カリフォルニア工科大学のサーバーにアクセスし、大容量の電子顕微鏡データに素早くアクセスするプログラムをWagenaar教授(同大学)と開発した。これに加えて、ニューロン神経突起膜電位イメージングを実現するため、超高速ライトシート顕微鏡(ニコンイメージングセンター・三上秀治教授主導で開発)の利活用を推進した。現時点では、ヒル以外の材料である線虫について一定の成果を得ており、その研究結果について、 国際会議とシンポジウムにおいて招待講演発表を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コネクトームデータの解析作業効率の向上のためにGoogle Colaboratoryを用いたプログラムにより、大容量のデータにリモートアクセス・解析が可能な環境を整えることができた。また、3次元的な神経活動イメージングを実現するための世界最速の高速ライトシート顕微鏡の性能評価を行う上で、引き続きモデル動物(線虫など)を用いた性能評価を行い、国際会議・シンポジウム等での成果発表を行った。神経突起の膜電位イメージングについては、超高速ライトシート顕微鏡の性能と膜電位感受性色素の性質の相性の点から、高いSNで計測することが困難であることが判明したため、カルシウムイメージングに切り替えることが適切であると考察された。
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Strategy for Future Research Activity |
Google Colaboratory上で開発したプログラムを活用することで、先行研究(Ashaber, Tomina, Kassraian et al. 2021)ですでに見出した多機能性ニューロン群(遊泳と這行の2種類の行動に共通して動員されるニューロン群)の神経突起の電子顕微鏡画像をトレースし、その3次元形態を明らかにする。それら多機能性ニュ ーロン群の神経突起上のシナプス接続を同定し、これらの前シナプスニューロンをシナプス部位から遡ってトレーシングすることで、神経回路網のさらなる全体像を探索的に明らかにする。 また、超高速ライトシート顕微鏡を利用した単一ニューロン神経突起カルシウムイメージングを実行し、神経突起上での時空間動態を明らかにする。
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