Project/Area Number |
21K15429
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 49040:Parasitology-related
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福本 隼平 長崎大学, 熱帯医学研究所, 特別研究員 (30882401)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2021: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
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Keywords | マラリア / 熱帯熱マラリア原虫 / 過酸化脂質 / フェロトーシス / マラリア原虫 / 酸化脂質 / 赤内期 / アポトーシス / 脂質 / 酸化ストレス |
Outline of Research at the Start |
赤内型マラリア原虫は、血流中の酸素や栄養素として取り込んだヘモグロビン由来の活性酸素による高度な酸化ストレスに晒されながら増殖を行わなければならない。活性酸素によって生成される過酸化脂質は、細胞膜における粘弾性の低下やDNAの損傷、フェロトーシスを誘導することが明らかになっている。このことから赤内型原虫が増殖を行うためには、過酸化脂質を除去するための代謝経路が必要不可欠だと考えられる。本研究では、赤内型マラリア原虫が有する過酸化脂質代謝経路の解析を行うことで、高度酸化ストレス下でのマラリア原虫の生存戦略を明らかにし、代謝経路の阻害が原虫にフェロトーシス様の細胞死を誘導できるかどうか検証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
三大感染症の一つであるマラリアは赤血球に感染したヒトマラリア原虫(赤内型マラリア原虫)によって惹起される。赤内型マラリア原虫は、血流中の酸素や栄養素として取り込んだヘモグロビン由来の活性酸素による高度な酸化ストレスに晒されながら増殖を行わなければならない。活性酸素によって生成される過酸化脂質は、細胞膜における粘弾性の低下やDNAの損傷、フェロトーシスと呼ばれる鉄依存的な細胞死を誘導することが明らかになっている。このことから、マラリア原虫が赤血球内で増殖を行うためには、自身にとって有害である過酸化脂質を除去するための代謝経路が必要不可欠だと考えられる。しかしながら、マラリア原虫における過酸化脂質の代謝経路に関する知見は、哺乳類細胞のものと比較して圧倒的に不足しているのが現状である。よって本研究では、赤内型マラリア原虫が有する過酸化脂質代謝経路の解析を行うことで、高度酸化ストレス下でのマラリア原虫の生存戦略を明らかにする。また、過酸化脂質代謝経路を阻害することで、原虫にフェロトーシス様の細胞死を誘導できるかどうか検証を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
過酸化脂質の蓄積が原虫にどのような影響を与えるのか確かめるため、過酸化脂質を代謝すると予測される遺伝子を欠損させた原虫(過酸化脂質の蓄積モデル株)の作出を試みた。熱帯熱マラリア原虫、哺乳類細胞で過酸化脂質を代謝するGPX4とGSTのホモログ(PfGPX4、PfGST)を有しているため、これらの遺伝子に注目した。PfGPX4、PfGSTはともに必須遺伝子であると予測されているため、時期特異的に遺伝子をノックアウトできるコンディショナルノックアウト(cKO)系を利用し、これらの遺伝子のcKO株の作出を行った。cKO株の作出には当初selection-linked integration (SLI) 法を用いていたが、系が上手く働かなかった。そのため、CRISPR/Cas9法に切り替えて、cKO原虫の作出を行った。結果、PfGPX4、PfGSTのcKO原虫を作出することに成功したが、系を切り替える必要が出たため、当初の計画より研究課題の遂行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
PfGPX4、PfGSTのcKO原虫を用いて、遺伝子ノックアウト時の原虫の増殖速度を調査したところ、両株ともコントロール群と比較して増殖速度に変化はなかった。この結果は、両遺伝子とも原虫の増殖に必須ではないことを示しており、当初の予測と異なる。今後はノックアウト時の遺伝子発現量をウエスタンブロット(WB)を行うことで確認し、cKO系が働いていることを確かめる(PCRベースでは確認済み)。また、新たな標的遺伝子であるPfγGCS、PfGSSのcKO株を作出することで、過酸化脂質の蓄積モデル株の樹立を行う。
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