Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
癌の誘因となる慢性炎症や癌組織では間質圧が上昇しているが、間質からの物理的な圧力が癌の病態に果たす役割は未だによく分かっていない。培養上皮細胞に基底側から静水圧を加えると上皮の重層化など癌と共通の形質が引き起こされ、タイトジャンクションが静水圧のセンサーとして機能する可能性が示唆されているが、その詳細なメカニズムはよく分かっていない。本研究では肺癌細胞を用いて静水圧が癌細胞に及ぼす影響を解析し、間質圧の上昇が肺癌の病態に果たす役割を明らかにする。腫瘍の微小環境でこれまで注目されてこなかった「間質圧」の役割を詳細に調べることによって、新たな方向からアプローチする癌の治療方法を開拓する予定である。