Project/Area Number |
21K16507
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55040:Respiratory surgery-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
氏家 秀樹 北海道大学, 大学病院, 講師 (70869825)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | IR700 / IM7 / AB22 / CD44 / LL2-LUC2 / 光免疫治療 / 近赤外光線免疫療法 / がん幹細胞 / アブスコパル効果 / レーザー治療 / マウス肺癌モデル |
Outline of Research at the Start |
本研究では、レーザーの局所に対する治療効果だけでなく、免役機構が賦活化し、治療をしていない腫瘍まで治療効果がある「アブスコパル効果」を評価する。昨今、マウス皮下腫瘍モデルに対するアブスコパル効果の検討は散見されるが、マウス肺癌同所性モデルの検討は今まで類例がない。肺、気道などの呼吸器官は、マクロファージやリンパ球が多く存在し、他臓器と比べて、より複雑な免疫反応を起こす臓器と言われている。肺癌同所性モデルは、皮下腫瘍モデルと比べて胸部悪性腫瘍の腫瘍微小環境に近く、肺そのものが持つ特異的な腫瘍免疫を検討することが可能であると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
AB22を用いてIn vitro解析を行いPITに対する良好な反応を得ていた。LL/2-LUC2も用いてIn vitro、In vivo解析を行った。[抗体]CD44抗体は、抗体:IR700=1:5の割合で混ぜ、IM7-IR700を精製。IR700/IM7比は平均2.5-3.0個程であった。[細胞株]AB22:BALB/C由来 LL/2-LUC2: C57BL由来 マウス肺での同種同所性モデルの作成のためLL/2についてはLUC導入細胞を購入した。[In vitro] IM7-IR700結合体は添加後1時間で細胞膜表面に十分な結合を認めた。結合量についてはAB22よりもLL/2-LUC2の方が多かった。LIVE/DEAD染色による蛍光イメージングではAB22、LL/2-LUC2共に照射後に細胞死を確認できた。FACSでは、5.0×10^5 cellsの細胞を播種したディッシュにIM7-IR700結合体を10μg添加し、1時間後にそれぞれ照射すると、照射量に応じて死細胞の割合が増加を確認できた。また、死細胞率が90%を超えるのに要したエネルギー量はAB22は32Jであったのに対し、LL/2-LUC2は16Jであり後者の方がPITによる効果が大きかった。これは蛍光イメージングで認めたIM7-IR700結合体の結合量の結果に一致していた。[In vivo] LL/2-LUC2(5.0×10^6 cells/100μL)をC57BLマウス背部に移植、腫瘍形成後にPITを行ったところ、非治療個体に対し明らかな腫瘍抑制効果を認めた。この結果を踏まえLL/2-LUC2(2.5×10^6 cells/50μL)を経口的にC57BLマウス肺に移植しPITの効果判定を行った。その結果PITを行った個体については発光の減弱を認め、マウス肺モデルについてもPITは有効であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
AB22、LL/2-LUC2共にin vitroは蛍光顕微鏡イメージング、FACSで良好な反応を得られている。LL/2-LUC2に関してはマウス皮下への生着も良好であり、体表からPIT治療を施行した個体は治療していない個体に比して明らかな腫瘍抑制効果を認めた。マウス肺癌モデルにおいてもLL/2-LUC2が生着した個体についてはPIT治療による腫瘍の縮小、増大抑制効果を確認しているが、生体マウスの肺への腫瘍生着率が低く複数個体での群間比較が行えていない状況である。 マウス肺への細胞移植時の器具の調整、喉頭展開の工夫、matrigelの使用等の手技の修正を適宜行っているが、未だ十分な腫瘍生着率を得られていない。また、細胞保管容器の不具合により細胞を再購入する必要があり、手配に時間を要した。
以上のように、in vitroでは良好な結果を得られておりマウス肺モデルにおいてもPITの治療効果を認める個体を確認できているが、個体数が少なく群間比較などが行えていないことから今年度の研究の進捗については、自己点検による評価区分を(3)とした
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Strategy for Future Research Activity |
現在、LL/2-LUC2を用いたマウス肺癌モデルの作成については徐々に精度が上がってきており、十分な生着率を確保できた時点でn=4-5程度で4群間(無治療群、IM7-IR700結合体投与群、近赤外光線照射群、PIT治療群)の生存日数を調査、PIT治療群が他群に比して有意に生存日数を延長するかどうかを確認する予定。治療効果についてはPIT治療(day1)後、day5程度まで連日ルシフェリン3mg 腹腔内投与を行いIVIS imaging systemを用いた発光イメージングの推移も測定する。発光イメージングについては集積を数値化し、4群間での比較にも用いる予定。 また、PIT治療については複数回の治療を行うことで効果が上がることが複数の論文で報告されており、単回の治療で有意な生存日数の延長が見られない場合、PIT治療を複数回行うことについても検討している。 その上で、一部の個体についてはPIT治療後に肺を摘出し標本化、H-E染色スライドでPITの治療効果を病理組織学的にも評価する。CD8など免疫染色を行うことで、PIT治療により腫瘍免疫が活性化しているかどうかについても検討を行っていく予定。
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