Project/Area Number |
21K16850
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Hyogo Prefectural Amagasaki General Medical Center |
Principal Investigator |
石川 正昭 兵庫県立尼崎総合医療センター(研究部), その他, 医師 (10813743)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | マウス / ラット / 篩骨洞 / 下鼻甲介 / アセチルコリン受容体 / コリン作動性抗炎症反応経路 / アセチルコリン / 慢性副鼻腔炎 |
Outline of Research at the Start |
慢性副鼻腔炎には通常の治療に抵抗性を有する難治症例があり、その多くがType2免疫反応型である。近年、このType2免疫反応型を制御する因子として副交感神経から放出されるアセチルコリンの重要性が報告されており、今後アセチルコリンと慢性副鼻腔炎の関連性に着目した研究の増加が予測される。しかしアセチルコリン受容体の全サブタイプを対象にして、ヒトと実験動物の鼻腔内発現パターンの比較を行った研究は現時点で皆無であり、鼻腔内でのアセチルコリン受容体発現パターンに対する更なる知見の蓄積が求められる。本研究ではマウス・ラット・ヒトから得られる検体を用い、アセチルコリン受容体発現パターンの異種間差を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、異種間での鼻腔内でのコリン作動性抗炎症反応経路に関与する遺伝子発現の差を検証するために、トランスクリプトーム解析を行うこととした。収集部位は、篩骨洞粘膜・下鼻甲介粘膜で、部位別間の検証も行うこととした。 マウス3匹、ラット3匹の鼻腔内組織から篩骨洞粘膜・下鼻甲介粘膜を収集した。下鼻甲介粘膜に関しては収集は容易であったが、篩骨洞粘膜の収集は部位の同定が不可能であった。特にマウスに関しては、篩骨洞粘膜と同定できるほどのメルクマールが存在せず、さらにトランスクリプトーム解析を行えるほどの十分な検体量収集は不可能であった。 これらの結果から、マウス・ラットを対象とした研究を断念し、ヒト検体のサンプルで検証を重ねることにした。 ヒト検体では、非慢性副鼻腔炎の症例における同一個体から篩骨洞粘膜と下鼻甲介粘膜を収集し、合計 n = 3でトランスクリプトーム解析を行った。合計1796の発現変動遺伝子を得ることができたが、この中にアセチルコリン受容体に関連する遺伝子の発現は含まれていなかった。 次に非慢性副鼻腔炎の症例から得られた篩骨洞粘膜(n ≒ 3)と非好酸球性副鼻腔炎の篩骨洞粘膜 (n = 5)をトランスクリプトーム解析したところ、18788の発現変動遺伝子を得ることができた。しかしながら、この中にもアセチルコリン受容体に関連する遺伝子の発現は含まれていなかった。クラスタ解析を行ったところ、5つのクラスタ分類が可能となり、各クラスタにおいて500以上の発現変動遺伝子を得ることができた。アセチルコリン受容体に大きな差は認めなかったが、これらの発現変動遺伝子がどのような臨床的意義を有するかを今後検証していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ下の状況での研究であったが、ヒト検体の収集は順調であった。そのため、動物を対象とした研究では方法論の問題点から結果を得ることができなかったが、ヒト検体を用いた研究ではある一定のサンプル数のものとにトランスクリプトーム解析を行い、コリン作動性抗炎症反応経路に関与する因子の発現検証を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
動物検体を用いた検証では、収集部位の同定や収集可能量の問題からこれ以上進めるのは現実的でないと判断した。これにより異種間での比較ということは不可能になったが、一方でヒト検体からの検証は順調に進んでいる。次年度は、ヒト検体を対象に解析をさらに進めていく予定である。
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