Project/Area Number |
21K17550
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
|
Research Institution | University of Tsukuba (2022) Juntendo University (2021) |
Principal Investigator |
土橋 祥平 筑波大学, 体育系, 助教 (10875264)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 成長期 / 身体不活動 / 狭小ケージ / 高脂肪食 / 物体位置認識試験 / 認知機能 / 身体活動不足 / エピジェネティクス / DOHaD / 糖尿病 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、成長期、特に発達早期の運動不足が将来的な認知機能に悪影響を及ぼす可能性について検討を行い、その対抗策の基盤となる分子メカニズムの解明を目指す。初年度は、生活習慣病に起因した認知機能低下を想定し,2型糖尿病を誘導するモデルラットを対象に、通常飼育群、活動制限による運動不足群を設定し、成長期の運動不足が成年期以降の認知機能に影響するか否かについて、エピジェネティック制御機構の観点から解明する。2年目以降は、成長期の中でも最も脳の可塑性が活発な発達早期における運動不足経験がその後の認知機能の変化に及ぼす否かについて実験動物を用いて検討する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、成長期、特に発達早期の運動不足が将来的な認知機能に悪影響を及ぼす可能性について検討を行い、その対抗策の基盤となる分子メカニズムの解明を目指すものである。 研究初年度において、ラットを床面積が通常の半分程度の狭いケージで飼育することで行動範囲を制限し、運動不足状態を惹き起こす介入を若年期に相当する 4-12週齢に実施し、その後成年期に入る20週齢まで通常飼育を行った。その際、「高脂肪食摂取と運動不足の相互作用」と「運動不足介入時期の違いによる影響」を併せて検討し、げっ歯類の物体探索行動の習性を利用した認知機能試験を行った後に脳組織のサンプリングを行った。 研究2年目は認知機能試験時の行動解析を実施した。その結果,通常飼育群と比較して若年期に運動不足を施した群では,形態や血液性状に変化が観察されなかったのにもかかわらず,認知機能課題成績が悪化することが明らかとなった。活動制限のない飼育環境下で高脂肪食を摂取したラットも認知機能課題成績が悪化したが、運動不足との相互作用により悪化は助長されなかった。また、神経機能の発達が著しい成長期前期 (4-8週齢) での活動制限は成長期後期 (8-12週齢) と比較して認知機能の悪化を招くものと予想していたが、その予想に反して成長期前期での活動制限は認知機能に悪影響をもたらさず、成長期の後期に活動制限を施したラットでは認知機能が悪化することが明らかとなった。したがって、若年期の運動不足による負の影響はその後運動不足が解除されても残存し、成年期以降の認知機能を悪化させてしまう可能性が示唆された。今後は生化学的解析を進め、若年期の運動不足が将来的な認知機能悪化を招くメカニズムの解明を進める予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究初年度において、本研究計画で実施する2種類の飼育介入実験を完遂したので、2年目は飼育介入で実施した認知機能試験の行動解析と生化学的解析を進める予定で計画をしていたが、研究代表者が年度途中に研究機関を異動したため、研究費や飼料の移送、研究環境の整備に時間を要したため、生化学的解析が十分に進められなかった。現在は研究環境の整備が完了したので、生化学的解析を実施しているところであるが、今後の解析の進行状況によっては研究実施期間の延長も含めて検討している。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討によって若年期の運動不足が将来的な認知機能悪化を招く可能性があること、そして運動不足の時期によってその影響力が異なる可能性が明らかとなった。今後はこの独特な変化をもたらす分子機構の解明に向けて、収集した海馬からRNAを抽出し、遺伝子の網羅解析の実施に加え、認知機能に関連するタンパク質発現を検討し、若年期の運動不足の対抗策の基盤となる分子ターゲットの同定を目指す。
|