Project/Area Number |
21K18531
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 9:Education and related fields
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
波多腰 克晃 日本体育大学, スポーツ文化学部, 教授 (20468797)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | データとしての身体 / アウラの凋落 / 魂 / 相互作用 / ドイツ・ナチズム / みせる身体 / eスポーツ / VR / 仮想世界 / ヴァイマル期 / 大衆の心性 / ハンナ・アレント / 映画教育 / メディア / 仮想空間 / VR機器 / トゥルネン / スポーツ / 身体イメージ |
Outline of Research at the Start |
本研究はVR機器を用いたeスポーツ場面において「みせる身体」が子供たちにどのような身体をイメージさせるのか解明することを目的とする。eスポーツ場面にみられる身体イメージは健康的な身体というよりもむしろ、ヒーローとして相応しい身体が表現される可能性を孕んでいる。ドイツ・ナチズムイデオロギーは当時の青少年の身体を「みせる身体」として政治利用してきた。eスポーツにおいて「みせる」身体イメージは如何にして偏った思想を背景とした新たなヒーローを生み出し、再生産され、現代社会の青少年に影響を与えるのか敎育思想史的に検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究はドイツ第二帝政期からヴァイマル期の公衆衛生としての健康的な「みせる身体」の形成と展開を解明することによって、今後eスポーツにおける仮想現実(VR)の導入がもたらす身体イメージへの影響を教育思想史的に関連させて解明することを目的とする。 スポーツ場面におけるVRの活用において、見知らぬ<他者>とのつながりを含む共同性の実現が可能となり、同時にそのことは「空間を共有しない状況における相互作用を織りなす社会」が構成されることにもつながる。<現実―仮想―現実>世界において<私>や<他者>はデータによってつくられた“データ身体”として認識することになる。つまり現実における身体運動(eスポーツ)や測定の情報(身長、体重、体脂肪率などのインボディー測定の結果や敏捷性、巧緻性、筋持久力などの体力)がデータとして取り込まれ<私>や<他者>を構成する。そして仮想空間において<私>と<他者>の身体とが共有する役割を担うのがVR機器である。この意味においては、VR機器の使用はベンヤミン『複製技術時代の芸術作品』に示されている映画と同じ機能を有していると考えられる。しかし、21世紀におきたインターネットとVR機器の繋がりは、「アウラの凋落」というよりはむしろ、“魂”を通じてアヴァターとして自己を表現する場を構成する可能性がある。今後はベンヤミンが想定していなかったVR機器の利用がいかなる意味を持ち、また政治的権力と結びつくのか今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主にVR、哲学、ベンヤミンをキーワードとして思想・哲学的な考察を進めている。しかしながら、VRまたそれに関連する機器の導入が急速に展開していることも事実である。VR機器を前提として研究を進めながらも、その他の機器とのかかわりについても情報を入手しつつ、仮想空間における身体イメージの認識について引き続き検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は遅れていた現地の資料の蒐集および国内の関連研究者との研究打ち合わせを通して、情報収集にプライオリティをつけて、効率的に研究を進めていく予定である。 特に、eスポーツに関する情報は実際に活動をしている関係者から情報を入手し、より効率的に資料の蒐集を進め、それに基づいて教育思想史としての研究成果につなげたい。
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