Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
太陽電池や光触媒において高いエネルギー変換効率を実現するためには高い光電荷分離効率が必須である。貴金属ナノ微粒子を用いたプラズモンエネルギー変換はそのための有望な手法の一つではあるが、増強効果に限界がある。そこで本研究では、貴金属元素を含む色素と半導体との異種融合界面での光電荷分離に着目する。我々は最近金原子を含む色素分子が複数のカルボキシ基を介して酸化チタン表面に固定化され 、金原子と酸化チタンの直接相互作用を通して超高速の電荷分離が起こることを見出している。この1原子レベルの直接相互作用に基づく超高速電荷分離のメカニズムを明らかにし、高効率なエネルギー変換への展開を目指した。 我々はコロール色素のメソ位アリール置換基上のメタ位にカルボキシ基を導入した金コロール(Au-B)と、対応するパラ位にカルボキシ基を導入した金コロール(Au-A)、Re, Osコロール(Re-B, Os-B)を合成した。それらの色素を酸化チタン電極上に吸着させ、色素増感太陽電池として評価すると、Au-Bが大幅にエネルギー変換効率を向上させることを見出した。時間分解過渡吸収測定の結果、Au-Bでは、金原子による速い系間交差(1 ps)にもかかわらず、励起一重項状態から酸化チタンへの超高速電子注入(<100 fs)が起こり、効率よく電荷分離状態が生成することがわかった。一方、X 線光電子分光(XPS)測定により、金原子と酸化チタンとの直接の相互作用が示唆された。さらにAu-Bにドナー部位を導入した色素を合成し、酸化チタン表面に複数のカルボキシ基で平行に平面状のコロール色素を固定し、さらにそのコロール環上にドナーを固定した、酸化チタン/コロール/ドナー配置を実現した。その結果、電荷再結合を抑制でき、変換効率を向上させるのに成功した。
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