表面プラズモン効果との融合による一重項分裂のパラダイムシフト
Project/Area Number |
21K19011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 35:Polymers, organic materials, and related fields
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
羽會部 卓 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (70418698)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 一重項分裂 / 表面プラズモン効果 |
Outline of Research at the Start |
一重項分裂とは近接した二分子間で一光子の吸収過程から相関の強い三重項対を介して二つの三重項励起子を生成する多励起子生成反応である。しかしながら、限られた材料の種類やその高効率化には大きな問題を抱えており、表面プラズモン効果(SPR)との融合によりその効果を実験的に検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
一重項分裂(Singlet Fission: SF)とは近接した二分子間で一光子の吸収過程から相関の強い三重項対(TT)を介して二つの三重項励起子(T1 + T1)を生成する多励起子生成反応である。三重項収率ΦTは最大200%のため光エネルギー変換利用が大いに期待されている。しかしながら、最低励起一重項状態(S1)のエネルギーE(S1)と三重項状態のE(T1)の間のE(S1) > 2E(T1)というエネルギー適合条件がSF分子には必須であり、これを満たす分子は一般に非常に限られている。本研究ではE(S1) > 2E(T1)の縛りのないSF等をめざし、その戦略の一つとして表面プラズモン共鳴と融合する。 2022年度は以下の研究を行った。まず、2021年度に続いてアセン系分子のアントラセン誘導体に着目して、2つのアントラセン誘導体をフェニル基(スペーサー)で連結した各種二量体の合成だけでなく、定常分光および時間分解分光の物性評価を行った。リンカー構造を最適化することでアントラセン誘導体でもSFの逆反応である三重項ー三重項消滅(TTA)を抑えることができ、SFの進行を確認できた。2021年度と比べて更なるSFの高効率化を実現し、詳細な励起ダイナミクスを明らかにすることができた。また、異なるリンカー構造で連結したペリレン二量体やアセン修飾金属ナノクラスター(アルカンチオールで連結)も現在合成中である。今後これらの化合物を順次合成を完了した後に、定常および時間分解分光における物性評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アントラセンやペリレンによる二量体、アセン修飾金属ナノクラスターの合成は順調に進んでいるが、励起ダイナミクス評価が必要なため。
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Strategy for Future Research Activity |
アントラセンやペリレン等の各種二量体やアセン修飾金属ナノクラスターにおけるプラズモン効果を含む励起ダイナミクス評価を進める。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)