4色型色覚特異的マイクロRNAから探る色覚の制御と進化
Project/Area Number |
21K19280
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 44:Biology at cellular to organismal levels, and related fields
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
日下部 岳広 甲南大学, 理工学部, 教授 (40280862)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 4色型色覚 / マイクロRNA / 錐体視細胞 / メダカ / 色覚進化 |
Outline of Research at the Start |
鳥類や魚類の網膜には色センサー(錐体視細胞)が4種類あり、4色型の色覚をもつ。研究代表者らは、色センサーで特異的に発現するマイクロRNAを魚類で発見した。このマイクロRNAは、魚類だけでなく、両生類、爬虫類、鳥類でも保存されているが、哺乳類とヘビ類には存在しない。哺乳類とヘビ類の祖先は夜行性で、一般に色覚が失われている。本研究では、メダカを主に用いて、このマイクロRNAに欠損や変異を導入した個体の網膜の細胞構成、生理、行動等の解析により、4色型色覚特異的マイクロRNAの色覚とその進化における役割を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
4色型の色覚をもつ鳥類や魚類の網膜の錐体視細胞で特異的に発現するマイクロRNA(miR-726)について、前年度に引き続き、脊椎動物ゲノムの網羅的な調査を行うとともに、miR-726ノックアウトメダカを作製し、ノックアウトメダカ系統と野生型系統の比較解析を行った。以下に、それぞれの解析について具体的に述べる。 脊椎動物ゲノムの網羅的な調査:脊椎動物全体に関してゲノム中のmiR-726の有無、構造、オプシン遺伝子など色覚に関わる遺伝子の構成等について網羅的な解析を行った。特に、生態、生理、形態の多様性が顕著な硬骨魚類に関しては、新たに公開されたゲノムも含め、広範かつ詳細な調査を行い、miR-726の喪失やシード配列の変異が、いくつかの系統で独立に生じていること、それらが生態的な特徴と関連付けられる可能性があることを見出した。 miR-726欠損個体の作製と解析: CRISPR/Cas9ゲノム編集法によりmiR-726欠損メダカ系統の作製を行い、前年度には得られていなかったmiR-726配列を完全に欠損したメダカ系統を得ることができた。野生型メダカとmiR-726欠損メダカ系統の網膜における遺伝子発現(トランスクリプトーム)と組織学的形態の比較解析を行った。miR-726欠損網膜ににおいて、明順応・暗順応に異常が生じている可能性を示唆する結果が得られた。マイクロRNAは、直接的には転写ではなく転写後調節に作用すると考えられるため、野生型およびロドプシン遺伝子欠損メダカ網膜を用いて予備的なプロテオーム解析を行なった。また、行動解析を行うための実験装置を作製し、野生型メダカおよびオプシン遺伝子欠損メダカを用いて視覚機能に関する予備実験に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に沿った解析を実施し、興味深い新知見が得られている。全ゲノム配列が解読された脊椎動物種が今年度さらに多数追加されたため、比較ゲノムによるより詳細な解析が可能となった。新しい解析手法として、プロテオーム解析と行動解析を取り入れ、これらの手法を用いた解析が軌道に乗りつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子発現レベルおよび組織学的解析に加え、2022年度に新たに導入することができたプロテオーム解析と行動解析を駆使して、ノックアウト系統と野生型の視覚機能の比較解析を行う。新たに得られた変異メダカを用いた解析に加え、さまざまな脊椎動物で見出されたmiR-726変異のメダカモデルを用いた再現実験、miR-726のシード配列に変異が生じているニワトリ等について、網膜の遺伝子発現や細胞構成、色覚機能の解析を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)
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[Presentation] メダカ長波長感受性錐体特異的エンハンサーLWS-CNR-Aの機能解析2021
Author(s)
福沢悠介, 日下尚美, 小林恵理佳, 大西雅也, 川上泰治, 横森類, 鈴木穣, 中井謙太, 行者蕗, 大道裕, 日下部岳広
Organizer
第44回日本分子生物学会年会
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