生体吸収形状記憶膵臓クリップを用いた革新的膵切離法に関する医工連携研究
Project/Area Number |
21K19534
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 55:Surgery of the organs maintaining homeostasis and related fields
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Research Institution | ASO CORPORATION(ASO IIZUKA HOSPITAL) (2022) Kumamoto University (2021) |
Principal Investigator |
山下 洋市 株式会社麻生(株式会社麻生飯塚病院医学研究推進本部), 外科, 部長 (00404070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井嶋 博之 九州大学, 工学研究院, 教授 (10274515)
今井 克憲 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (60555746)
林 洋光 熊本大学, 病院, 講師 (80625773)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | 生体吸収膵臓クリップ / 形状記憶 / 生体吸収形状記憶膵臓クリップ / 膵液瘻 / 膵切離断端耐圧能ex vivo 試験 / ミニブタ / 側膵切除 / 尾側膵切除 |
Outline of Research at the Start |
膵切除後膵液瘻は未だに解決できない膵臓外科のアキレス腱である。我々は、新しい発想だが、「生体吸収形状記憶膵臓クリップ」で膵切離断端を閉鎖する膵切離を考案した。膵臓クリップのベース基材は、医療用分解性基材であるポリカプロラクトン(PCL)とする。PCLにジアクリレート等を導入して形状回復するように加工する。ブタの膵臓を体外に取り出し、膵切離後にその断端耐圧能を測定するex vivo実験により、膵臓クリップの形状(幅・厚さ・曲率など)を最適化する。また、ミニブタを用いて膵臓クリップで膵を閉鎖した後尾側を切離し、術後3ヶ月まで「長期観察」して、膵臓クリップの生分解性と形状記憶性を最適化する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ポリカプロラクトンを用いた生体吸収膵臓クリップを考案してプロトタイプを作製した。このプロトタイプは既にPCT出願を済ませていたが、アメリカと中国に特許を申請した。独自にブタの尾側膵切除モデルを作製して、通常臨床で使用しているステープラーを用いた切離群(n=2) と生体吸収膵臓クリップを用いた群(n=3)で1ヵ月間経過を観察するFeasibility試験を行った。ステープラー群は1匹が術後早期(7日目)にmajorな膵液漏で死亡、もう1匹も1ヵ月生存したものの、minorな膵液漏を認めて、食事摂取が不良であった。一方、クリップ群は3匹とも膵液漏なく、1ヵ月元気に生存した。膵閉鎖部をH&E染色で確認すると、ステープラー群で早期死亡した例では、閉鎖不良の主膵管を認めた。一方で、クリップ群は、良好なクリップによる膵実質と主膵管の閉鎖を認めた。この良好なFeasibility試験の結果は、我々の新しいコンセプトの有効性を指示する重要な結果であり、2021年10月号のSurgery Today誌に発表した。 次にこの生体吸収膵臓クリップの生体吸収性を評価するため、体重増加がわずかなミニブタを用いた長期実験に取り組んだ。まず尾側膵切除後3ヵ月経過を観察し、クリップの状態を評価したところ、ミニブタは術後3ヵ月間良好に経過し、膵液瘻なくクリップはほぼ吸収されず(術前後のクリップ重量に変化なし)膵切離部に存在した。一方で、5ヵ月生存させクリップの状態を評価したところ、ミニブタは術後5ヵ月間良好に経過し、膵液瘻なくクリップは完全に吸収されていた。膵切除断端をH&E染色で病理学的に評価したところ、主膵管は良好に閉鎖されていた。この結果から我々が開発した生体吸収クリップは術後3~5ヵ月で安全に生体吸収されることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ渦の中、ブタ実験を行う際に使用する筋弛緩剤の確保に難渋し、ブタ実験の進捗に遅れを来した。一方で、思いがけずFeasibility試験や長期実験の結果が良好で、『形状記憶性』のないプロトタイプでも十分に臨床使用に耐えうると考えた。そこで早期に製販企業と連携して企業の要望を製品開発に反映したいと考えた。国内・海外の50を越える企業と連携を模索したが、現在まで企業連携に至っていない。そのため、形状記憶を付与する基盤実験に遅れを来している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、中国の企業と連携を模索している(Zoom会議を2度開催)。 生体吸収膵臓クリップに形状記憶性を付与するため、ベース基材であるポリカプロラクトンにジアクリレート等の非晶質リンカー(各種ジアクリレートや1.2.4-トリアゾシン-3.5ジオン等)を導入する事により、形状記憶性を付与する。Ex vivo 膵断端耐圧能試験でその有効性を評価する。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)