Project/Area Number |
21KK0217
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
角道 亮介 駒澤大学, 文学部, 准教授 (00735227)
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Project Period (FY) |
2022 – 2024
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥11,180,000 (Direct Cost: ¥8,600,000、Indirect Cost: ¥2,580,000)
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Keywords | 中国考古学 / 殷周時代 / 青銅器 / 銘文 / 編年 / 中国 |
Outline of Research at the Start |
中国・殷周時代の青銅器に対する全面的な編年研究を行う。中国の初期王朝時代において集団統合と政治体の形成に大きく関わる器物であった青銅器であるが、近年の出土量の増加に反して、その編年体系への全面的な検討は長く停滞している。中国人研究者により出土資料に基づく詳細な分析はあるものの、細分化されすぎたためにむしろ全体像としての変化の方向が見えにくくなっている側面がある。中国全土の出土資料と世界各地の博物館資料を総合し、器形・紋様・銘文という側面から全面的な編年研究を行うことで、殷周青銅器編年の今日的な基準をうち建てることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、中国の初期王朝時代において集団統合と政治体の形成に大きく関わった青銅器の、全面的な編年研究である。近年の出土量の増加に反して、その編年体系への全面的な検討は長く停滞している。本研究では、中国全土の出土資料と世界各地の博物館資料を総合し、器形・紋様・銘文という側面から全面的な編年研究を行うことで、殷周青銅器編年の今日的な基準をうち建てることを目的とする。 本年度の研究期間では、中国殷周時代の青銅器にたいする全面的な編年研究を行うために、国内資料の集成を行った。東京(東京国立博物館・根津美術館・書道博物館)、京都(泉屋博古館)、奈良(奈良国立博物館・寧楽美術館)など各地で殷周青銅器のコレクション資料の集成と整理を行い、あわせて一部の資料についてフォトグラメトリを利用した三次元計測を行った。 国外でも一部資料の実験と観察、および写真撮影を実施することができた。一例として、フランス・パリのチェルヌスキ美術館が所蔵する「虎ユウ」の詳細な観察を行った結果、京都・泉屋博古館所蔵の「虎ユウ」とは細部における差異があることが判明し、同一設計の器であっても異なる鋳型を用いた生産がなされていたことを改めて確認することができた。 また、2024年度の行う国外資料調査のための準備として中国・米国の既刊行資料の収集を継続して行った。共同研究を行うコロンビア大学の李峰教授・山東大学の路国権准教授と連携し、国外での資料調査の方針について意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の主な研究目標は、①日本国内の青銅器資料の収集と、既往研究の整理②2024年度に実施する日本国外での青銅器調査のための準備、の二点であった。①はおおむね予定通りに実施することができ、現状の編年研究の問題点の再整理と、その問題意識に基づいた国内資料の観察をすることができた。②についても順調であり、共同研究を行う機関の研究者と連携しながら、2024年におけるアメリカ合衆国と中国での青銅器資料調査実施のための準備を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度には、米国と中国にて、青銅器資料の集成と分類を行う。米国ではフリア美術館・サックラー美術館を中心に、数多くの殷周青銅器資料が収蔵されており、これらの資料についても同様の資料調査を行いたい。実測・写真撮影・拓本作成などによって、該資料の考古学的特徴を分析する。 また、9月~11月には中国に赴き、発掘調査による新出資料を中心に調査を行う予定である。山東大学歴史文化学院の路国権准教授と協力しながら、陝西省・河南省・山東省を中心に、新出青銅器資料の資料化を進める。 研究期間が終了した後、これまでの成果をもとに殷周時代の青銅器に関する新たな編年研究をまとめ、書籍として刊行する予定である。
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