Study for the Origin of Global Banking Supervision: Analyses of Bank of England Archives and Archives of Basel Committee on Banking Supervision
Project/Area Number |
21KK0235
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07070:Economic history-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐藤 秀樹 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (20452112)
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Project Period (FY) |
2022 – 2024
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥13,260,000 (Direct Cost: ¥10,200,000、Indirect Cost: ¥3,060,000)
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Keywords | 銀行監督史 / イングランド銀行 / バーゼル銀行監督委員会 / 欧州経済共同体 / 英財務省 / 英貿易産業省 / スイス国立銀行 / 英国民間銀行 / 英国銀行法 / 国際銀行規制 / 欧州第一次銀行指令 / 中央銀行間協力 / 欧州銀行規制 / 国際金融規制 |
Outline of Research at the Start |
現代社会は長期的にみると金融危機が頻発し、経済のブームとバーストが避けられない環境下にある。本研究は、金融機関の中でも私たちの生活に不可欠な預金を取り扱う「銀行」に着目する。銀行の健全性を保つことは日本を含めた国にとって非常に重要である。本研究は、健全な銀行経営を確保し金融システムの安定化を国際的に調和させるバーゼル銀行監督委員会に着目する。国際的な銀行監督の起源を、英国との関係から明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
国際共同研究強化Aの成果としては、下記の4点を挙げることができる。第1に、英国LSEにて1年間共同研究を実施している。共同研究者とは定期的に銀行規制・監督の歴史的研究に関する意見交換、アーカイブ史料に関する討論、及び共著論文の執筆を行い、それらを通して貴重な研究の機会を得ている。また、LSEのFinancial Markets Groupが開催するシンポジウムで研鑽の機会を享受している。金融論、金融政策論に関する定期研究会では異分野交流を通して知見を得ている。金融史、金融規制法制に関する研究会にも積極的に参加している。第2に、単著を2023年12月に『銀行監督のダイナミクス:ヨーロッパの新しい展開とグローバルレベルの挑戦』丸善出版として上梓した。欧州銀行同盟の起源から展開までを述べた研究書である。英国銀行監督の特徴を歴史的視点から叙述した章を入れ、在外研究中の国際決済銀行(BIS)、金融安定理事会(FSB)、ケンブリッジ大学、LSE等での議論の成果を盛り込んだ。第3に、仏との国際共同研究の成果として同国から図書を刊行した。筆者はこの銀行監督史の書籍で、イングランド銀行からの銀行監督の歴史的経験をアーカイブを用いて明らかにした。第4に、現地でのアーカイブの探索と研究者、当局者との学術交流を行った。イングランド銀行と英国公文書館へは定期的に通い、本研究の基盤となる史料提供を頂いている。また、ケンブリッジ大学の法学者、歴史学者との議論、同大学の金融法制及び金融史のセッションから、学際的な知見を得ている。スイス・バーゼルのBIS文書室、BIS、FSBの専門家との交流、スイス中央銀行文書室での研究を実施。オックスフォード大、ベイズ・ビジネススクール、バーゼル大、クウィーンメアリ大の研究者との議論や、バークレイズ銀行、ナットウェスト銀行のアーカイブ収集も有益であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地でしか閲覧できない数々のアーカイブ史料の探索と収集、ロンドン、英国、欧州の研究者、当局者とのディスカッションはこれまで筆者に新しい視点を提供し、非常に有難い機会となっている。特に、共同研究者との共同論文執筆は、銀行監督史の記述にあたり、大変有意義な研究上の勉強となっている。 本研究は、公的当局(中央銀行、財務省、監督当局)からの視点を主としている。一方で、被監督機関、つまり民間銀行側の視点を絡めて述べていく必要性を認識している。すなわち、公的当局のアーカイブを解析の軸心としつつ、さらに民間銀行アーカイブをいかに活用するかという課題を掲げたい。
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Strategy for Future Research Activity |
インプットとして収集した、あるいは今後収集する予定の英国、スイス、フランスにおける10か所のアーカイブの解析をまとめていく。つまり、①英国イングランド銀行アーカイブ、②英国公文書館アーカイブ、③英LSEアーカイブ、④ケンブリッジ大学マーシャル図書館アーカイブ、⑤オックスフォード大学アーカイブ、⑥国際決済銀行アーカイブ、⑦スイス中央銀行アーカイブ、⑧バークレイズ銀行アーカイブ、⑨ナットウェスト銀行アーカイブ、⑩フランス中央銀行アーカイブである。テーマと年代ごと、あるいは横断的論点として整理しなければならない。 そして、並行して、まとまった研究として執筆(アウトプット)をいかに計画的に行っていくか、LSEの在外研究期間中に打ち込んでいけるかが問われる。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)