Project/Area Number |
21KK0240
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09060:Special needs education-related
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Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
内山 仁志 島根県立大学, 人間文化学部, 准教授 (60348604)
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Project Period (FY) |
2022 – 2024
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥9,620,000 (Direct Cost: ¥7,400,000、Indirect Cost: ¥2,220,000)
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Keywords | 発達性ディスレクシア / MRI / 読み書き困難 / 読み分け困難 / 早産児 / ディスレクシア / 視覚認知 / 音読 / Crowding / 読み書き障害・dyslexia / 視機能・視覚認知 |
Outline of Research at the Start |
読字障害児の音読能力を向上させる方法として近年、言語だけでなく、聴覚や視覚的な方法も有効とされ、実践されています。特に視覚的方法としてビジョントレーニングはよく取り組まれていますが、そもそも音読能力と視覚特性の関係が脳内にどのように表象されるのかは未だに不明のままです。そこで本研究では、脳の容量解析(VBM)と脳の構造解析(FBA)を用いて、読字障害児・者の音読能力の弱さと視覚特性の関係を脳構造の観点から明らかにすることを目的とします。将来的にデータを縦断的に発達変化をとらえ、ビジョントレーニグの効果検証や脳科学的エビデンスに基づく読み書きに関する支援法を確立することを目指します。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は脳の神経細胞のある灰白質を解析する脳容量解析(Voxel-Based Morphometry、以下VBM)と脳の各領域を結ぶ白質線維束の構造解析(Fixel-Based Analysis、以下FBA)を用いて、読字障害児の音読能力の弱さと視覚特性の関係を脳構造の観点から明らかにすることである。コロナ禍の影響で申請時と状況が変化し、撮像環境の整備に奔走したところもあるが、ようやく再整備ができたところである。渡航先についても当初の大学施設からMRIを所有する研究施設へ変更することとなった。このことによりMRI撮像や解析に関するディスカッションがより密にできることとなる。2023年度は全体スケジュールの確認を関係機関と行うとともに、被験児・者の確保と行動実験の課題調整を行った。想定している読み書き障害児の確保はおおむね整ったものの、早産児の確保が難しい状況にある。また、新しい撮像環境施設においてMRI撮像に関する準備に多くの時間を費やした。特に撮像シークエンスの調整に難航しており、小児での撮像を視野に考えたときに撮像したいものと撮像時間との折り合いがつかない状況であり、いくつかの課題を残す結果となっている。これらの点について渡航先のMCRI(Murdoch Children's Research Institute)に出向き、撮像に関するディスカッションを行ったところであるが、いまだ解決に至らないため引き続きディスカッションを継続する。また渡航時には2024年度の長期渡航に向けた協議もでき、研究遂行の見通しを立てられたことが今年の成果といえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
国内での新たな撮像環境の構築に時間を要したことが遅れている原因である。また、新たな撮像環境にある機器を使った撮像シークエンスの調整に難航している。撮像シークエンスについては、狙っている線維連絡の取得に必要な設定と撮像時間の関係の問題をクリアできていない状況である。ほかの遅れている原因としては、渡航先の変更手続きを行うこととなったことも遅れている理由といえる。しかし、海外の共同研究者が所属するMRIが施設内にあるMCRI(Murdoch Children's Research Institute)に環境を移すことより、MRI撮像や解析に関するディスカッションを密にできるため、研究を遂行する環境としては良い方向に向かっている。またこのほか、全体スケジュールの再整備と被験児・者の確保を行う必要が生じたことも遅れている原因である。しかし2024年2月末には渡航先にて打ち合わせを行い、2024年度の長期滞在に向けたスケジュールについて確認を行うことができた。遅れている状況であることは変わりないが、成果が得られるよう今後も調整を続けていく。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年9月より長期の渡航を予定している。5~6月までのところで課題となっているシークエンスについて引き続き検討し、渡航前の7~8月に国内でMRI画像を取得する。またそのときに行動実験も行い、そのデータとMRI画像を渡航先に持ち込み、解析する計画である。
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