新生代石灰質ナノプランクトンの進化と古生物地理に基づく新たな年代指標の開発
Project/Area Number |
21KK0248
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 17030:Human geosciences-related
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
宇都宮 正志 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (10738313)
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Project Period (FY) |
2022 – 2024
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥15,600,000 (Direct Cost: ¥12,000,000、Indirect Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | 石灰質ナノプランクトン / 生層序 / 年代指標 / 進化 / 石灰質ナノ化石 |
Outline of Research at the Start |
微化石の一種である石灰質ナノ化石は示準化石として新生代の堆積盆間の層序対比や年代推定に広く用いられている.一方,種の出現を認識するための前提となる種間の系統関係や古生物地理については十分に明らかにされておらず,堆積年代の推定精度向上や古海洋環境復元への適用の制約となっている.この課題を克服するため,本研究では新生代における種の出現イベントを年代指標として確立させることを目的にその有効性と地域性について研究を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度から引き続きワシントンDC近郊のバージニア州北部にある米国地質調査所USGSに滞在し,主に米国バージニア州からニュージャージー州にかけての沿岸部に分布する古第三紀から新第三紀の海成層の堆積物試料を用いて研究を行った.Self-Trail博士とは主に暁新世-始新世温暖化極大と前期始新世の温暖期および中部中新統などの全球的な温暖期の記録を含む地層について石灰質ナノ化石群集の検討を行った.得られた試料は検鏡用スライド作成を行い,偏光顕微鏡観察によって石灰質ナノ化石群集の群集組成を定量的に把握するとともに年代基準面の認定を行った.その結果コア中に7つの既知の年代基準面を認定することができ,新たな年代指標の開発にむけ,堆積物試料に年代層序学的な位置づけを与えることが出来た.またUSGSのDowsett博士と鮮新統に関する共同研究を実施した.まず米国東部の鮮新統を対象に層序学的調査を行い,検鏡用スライド作成を行い,偏光顕微鏡観察によって石灰質ナノ化石群集の群集組成の定量把握と年代基準面の認定を行った.次に同博士が鮮新世の古海洋環境のマッピングプロジェクトで収集した各大洋の堆積物試料から低~中緯度の試料を選定し,石灰質ナノ化石の古生物地理学的な検討をするための試料採取と議論を行った.日本に帰国後,石灰質ナノ化石の進化に伴う形態と結晶方位の関係を東京大学との共同研究で検討した.研究成果は米国滞在中にピッツバーグで開催された米国地質学会と,日本帰国後に茨城県つくば市で開催されたMRC研究集会で発表を行った.現在は暁新統-始新統境界付近や鮮新統の石灰質ナノ化石の層序および結晶方位と進化に関する論文を執筆している.研究費は現地滞在費と調査出張のための旅費,および検鏡用スライド作成や電子顕微鏡関連物品の購入などに充当された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は米国地質調査所USGSのSelf-Trail博士やDowsett博士とともに堆積物コアや露頭試料の選定と採取を行うことができ,また当初目標としていた石灰質ナノ化石群集の群集組成の定量把握と年代基準面の認定を行うことができた.得られた研究成果は10月のピッツバーグでの米国地質学会とつくば市のMRC研究集会で発表することができた.これにより,今後論文として成果公表するための見通しが得られた.他方で,鮮新世の古海洋環境のマッピングプロジェクトで収集した堆積物試料を用いた研究に関しては,試料の数量が予想以上に多く,米国滞在中に石灰質ナノ化石群集の検鏡用スライド作成とデータ取得ができなかったため,環境要因を考慮した古生物地理の検討に関してはやや遅れていると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
Self-Trail博士とは暁新統-始新統境界や始新統に関して,Dowsett博士とは鮮新統に関して石灰質ナノ化石群集や年代層序に関する論文を投稿するためにデータ解析や議論を行う.そのためにUSGSに短期滞在して追加試料の採取や共同研究者との対面協議を行う.新たな年代指標を開発するため,米国で採取した堆積物試料の電子顕微鏡観察を行い,石灰質ナノプランクトンの種ごとの殻形態や結晶方位の差異を定量的に解析する.鮮新世の古海洋環境のマッピングプロジェクトで収集した堆積物試料を用いた研究に関しては,検鏡用スライド作成のための人件費に予算を充当して石灰質ナノ化石群集の定量的把握を急ぐ.得られた成果は国内および国際学会で随時公表する.
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)