Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
草本植物の半数以上を占める多年生のクローン植物では、栄養成長相の中に、「クローン成長相」と「個株成長相」の2相があることに着目し、クローン成長相(clonal growth phase)と個株成長相(ramet growth phase)の遺伝子発現の違いを解析し、植物の栄養生長期間中の主要な相移行を調節する分子メカニズムを特定することが目的である。グロースチャンバーを用いて、温度・日長を操作した条件を設定し、コンロンソウとスズシロソウがそれぞれの発育相をとる条件を決定した。粗形態だけでなく、顕微鏡撮影装置を用いた茎頂端の形態観察をおこなった。低温を経験する前の株においては、長日条件でクローン成長相を、短日条件で個株成長相を取る傾向があった。しかし、形態の移行には連続性がみられ、移行期についてはさらに今後の条件検討が必要である。もっとも典型的な時期を選ぶことにより、上記の環境依存性実験においてメリステムからRNAを抽出し、cDNAサンプルとして保存した。また、開花遺伝子のホモログについてのプライマー設計と発現定量の予備実験を実施した。また、シロイヌナズナのアレイを用いた発現定量を実施予定である。今後、異なる相にある茎頂の遺伝子発現を定量し、植物の栄養生長期間中の主要な相移行を調節する分子.メカニズムを特定することを目指す。なお、本研究の成果は、今後、最先端・次世代研究開発支援プログラム「遺伝子発現の季節解析にもとづく植物気候応答の機能解明と予測技術開発」(代表者:工藤洋、重複制限のために本研究は23年度の継続がない)の中に活用され、当初の目的を達成する予定である。
All 2011
All Presentation (1 results)