Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
原発性掌看蹠多汁症は精神発汁ともいわれ、発症機序については情動に対する父感神経糸の過剰反応であり、高次精神活動を行う前頭葉新皮質や、情動性活動を行う辺縁系が精神性発汗中枢(局在不明)に促進的にはたらくことでおこることが予想されている。そこで、実際の脳血流の局在を特定するため、脳血流の変化をSPECT (Single Photon Emission Computed Tomography)を用い測定した。【方法】局所多汗症と診断した患者のうちで、重症の手掌多汗症と診断された患者において、脳MRIで器質的な脳疾患を否定した患者9人(男4、女5人)に脳血流シンチ(SPECT)を安静時と、発汗誘発時に試行した。同様の条件で多汁症のない正常人コントロール群6人(女6人)の脳血流と比較検討した。被験者は患者群、正常群共に右肘静脈ルートを確保後、気温20℃±2℃、湿度50%±5%の部屋に仰臥位にて5分間安静にしたのち^<99m>Tc-ECD(ニューロライト[○!R])を600MBq経静脈投与した後撮像したものを安静時とし、・別の日に来院のうえ同様に安静後、暗算負荷をかけて手掌から発汗を認めたのを確認した時点で^<99m>Tc-ECDを同様に経静脈投与し撮像したものを負荷時とした。各個人のSPECT脳血流画像の解析は、easy Z-score Imaging System (e-ZIS)ソフトウェアを用いて行った。また、群間比較はStatistical Parametric Mapping 2 (SPM2)ソフトウェアを使用し、SPMを用いたt検定を行った。【結果】(1)多汗症群内での安静時と負荷時の脳血流分布に有意差はなかった。(2)安静時において、多汗症群は正常群と比較し、右前頭葉の血流分布が増加していた(p<0.01)(3)負荷時において、多汗症群は正常群と比較し、左右前頭葉の血流が有意に増加していた(P<0.01)。以上から、前頭葉における渦剰反応か、局所多汗症の病態に関与写ることが示唆された。また、本研究は東京医科歯科大学医学部倫理委員会の承認を得て倫理的配慮のもとに行った。
All 2010
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日皮会誌
Volume: 120(8) Pages: 1607-1625
皮膚科の臨床
Volume: 52(11) Pages: 1543-1547
皮膚病診療
Volume: 32(Sup.1) Pages: 2973-2977
発汗学
Volume: 17(2) Pages: 33-38
Volume: 120(13) Pages: 2973-2977
10027733385
Volume: 32(2) Pages: 159-162