βー1,3ーグルカンの高次構造に着目したVCD・合成・免疫学研究
Project/Area Number |
22810002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Living organism molecular science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
谷口 透 Hokkaido University, 先端生命科学研究科(研究院), 助教 (00587123)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,495,000 (Direct Cost: ¥1,150,000、Indirect Cost: ¥345,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,625,000 (Direct Cost: ¥1,250,000、Indirect Cost: ¥375,000)
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Keywords | 有機化学 / 糖鎖 / 赤外円二色性 / 免疫学 / β-1.3-グルカン |
Research Abstract |
海藻やキノコに含まれるβ-1,3-グルカンは免疫賦活剤や抗がん剤として臨床に用いられているものの、その特異な三重らせん高次構造のために詳細な分子作用機序は不明である。本研究では、(1)VCD(赤外領域円二色性)を用いた糖鎖高次構造解析法の確立、(2)β-1,3-グルカンフラグメントの有機合成および各フラグメントの三重らせん形成能の検討、(3)得られた三重らせんフラグメントの高次構造と免疫活性化能の相関検討、を行う。本研究の達成により今後、NMRや共結晶を用いたβ-1,3-グルカンとその標的タンパク質との詳細な相互作用の解析を行うことも可能となり、より生理活性の高いβ-1,3-グルカン誘導体の開発、ならびに新規デリバリー法開発に資すると期待される。 β-1,3-グルカン研究における問題点として、多糖の高次構造を解析する有効な手法が確立されていないことが挙げられる。そこで本研究ではまず、VCDによる多糖の高次構造解析法の開発に着手した。カードラン、シゾフィランなどのβ-1,3-グルカンのVCDを各種条件下で測定したところ、VCDが多糖の高次構造解析に有効であるという予備的知見を得た。これは、VCDを多糖の高次構造解析に用いた初の研究例であり、本手法が多糖全般の高次構造理解の深化に資すると期待される。 また、β-1,3-グルカンフラグメントの効率的新規合成法の開発に着手した。本研究では、G1cβ1→3G1cβ1→[G1cβ1→3]G1cのような分岐度0.33の4糖ユニットをまず合成し、これをベースに8糖、16糖、24糖などの合成を検討している。平成22年度では、基本となる4糖ユニットの合成に着手し、各種反応条件を最適化してきた。今後、これらのユニットを結合させる各種グリコシデーション法を検討し、合成を達成し、VCD研究ならびに免疫賦活活性試験に供したいと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
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