Project/Area Number |
22919001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅱ-B(情報系)
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Research Institution | Kyushu National Museum |
Principal Investigator |
輪田 慧 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部博物館科学課環境保全室, 研究補佐員
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Project Period (FY) |
2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥390,000 (Direct Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2010: ¥390,000 (Direct Cost: ¥390,000)
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Keywords | ハンズオン / 3Dプリンタ / 文化財 |
Research Abstract |
研究目的 文化財の精密な計測データから安価で精度の高い「ふれるレプリカ」を製作し、博物館展示において、来館者に楽しんでもらえるかどうかを明らかにする。 研究方法 1.調査:各地の博物館を取材し、既存展示の見学や学芸員への聞き取りから、展示意図、方法を調査した。 2.製作と展示:調査の際に取得した文化財の三次元計測データやCTデータ、表面色データなどを3Dプリンタで出力。これを「ふれるレプリカ」として調査した文化財の所蔵館等で展示した。 3.まとめ:展示担当者や来館者に対して聞き取り調査を行い、「ふれるレプリカ」の展示効果と今後の方向性をまとめた。 研究成果 本研究で製作した高精度のディジタル複製である「ふれるレプリカ」は、博物館展示において好評を博し、来館者に十分楽しんでもらえることが明らかとなった。従来の型どりによる複製品は数十万~数百万円と高価であったため、実物と同じようにさわることができなかった。しかし、ディジタル複製であれば数万円で製作できるため、さわることができる。また、非接触計測であるため、これまでシリコン等で型どりできなかった文化財をも複製することが可能である。これらの特徴を備えた複製品は学芸員に長く望まれていたものである。さらに、博物館展示だけではなく、学校教育や障がい者教育、文化財研究においても求められている事が分かり、文化財調査のディジタル化に伴って、将来の普及が見込まれる。 一方、実物の文化財そのものではないため、誰に何を伝えるのかを明確にし、形、色、重さ、質感など情報の正確性と製作費や展示における安全性のバランスをとって製作していく事が重要である。これを考慮し、今後も文化財と人とのインターフェイスとして発展させていかなければならない。
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