Project/Area Number |
22921010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅳ(材料・生物工学系)
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
星井 進介 長岡工業高等専門学校, 教育研究技術支援センター, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥460,000 (Direct Cost: ¥460,000)
Fiscal Year 2010: ¥460,000 (Direct Cost: ¥460,000)
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Keywords | 炭素材料 / 黒鉛結晶性 / X線回折分析 |
Research Abstract |
1.研究目的放電プラズマ焼結(Spark Plasma Sintering, SPS)法という材料調製技術は、短時間かつ低温での焼成で緻密な材料が作製できるという特徴を有しており、筆者はこのSPS法を用いた炭素材料(SPS炭素材)の調製と物性評価に関する研究に取り組んでいる。本研究ではSPS炭素材の構造(黒鉛結晶性)に関する詳細な分析、検討を行うことにより、SPS炭素材の構造変化が物性に及ぼす影響を明らかにすることを目指した。 2.研究方法コークス粉を原料として、熱処理温度1800℃、圧力60MPaのSPS条件で直径20mm、厚さ5mmのSPS炭素材を作製した。得られた炭素材の嵩密度やショアー硬さ、機械的・電気的・熱的特性を測定した。そして、高精度X線回折装置(リガクRINT-UltimaIII)の平行ビーム光学系によってX線回折測定を行うと共に、データ解析ソフトウエア(JADE7)を用いた結晶構造分析を行い、SPS炭素材のバルク的な結晶構造の解析を試みた。 3.研究成果 低温・高速焼成が可能なSPS法を用いてコークス粉を原料とする炭素材を作製した。得られたSPS炭素材の諸特性を検討すると共に、高精度X線回折装置(リガクRINT-UltimaIII)による結晶構造分析を行った結果、以下のことが明らかになった。 (1)作製したSPS炭素材の嵩密度、ショア硬さ、熱膨張係数の値は、代表的な人造黒鉛材と比較して同程度か、それを上回る値を示した。 (2)高精度X線回折装置を用いたSPS炭素材の構造分析の結果、X線回折強度は試料作製時の加圧方向と同じ方向が鉛直方向よりも強く、SPS炭素材の異方性が認められた。 (3)SPS炭素材の固有抵抗と熱伝導率の値は、人造黒鉛材と比較すると固有抵抗は大きく、熱伝導率は小さかった。これはSPS炭素材の黒鉛結晶性が低いことが原因であった。
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