Project/Area Number |
22928005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅲ
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鬼塚 文子 京都大学, 医学部附病院・薬剤部, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥350,000 (Direct Cost: ¥350,000)
Fiscal Year 2010: ¥350,000 (Direct Cost: ¥350,000)
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Keywords | 抗がん剤 / デキサメタゾン / 感染症 |
Research Abstract |
【背景】抗がん剤使用時に制吐剤として投与するデキサメタゾンは免疫抑制作用があり、連日投与によって抗がん剤による好中球減少に加えさらに感染症のリスクを増大させる可能性が考えられる。また、高度催吐レジメン時に用いるアプレピタントはデキサメタゾンの代謝を阻害することが報告されている。そこで本研究は、デキサメタゾンやアプレピタントの使用による感染症発症リスクへの影響を検討した. 【方法】平成19年4月~23年3月に京都大学医学部附属病院耳鼻咽喉科病棟で、好中球減少及び催吐リスクが高いDC療法(ドセタキセル・シスプラチン)やさらに5-FUを加えたDCF療法が実施された患者63名106件を対象とした。年齢・性別・体重、抗がん薬の投与量、デキサメタゾンの投与量と投与日数、アプレピタント投与の有無、好中球数の推移、G-CSF製剤の使用頻度、抗菌薬使用の有無に関する情報収集を行った。 【結果】DC療法におけるデキサメタゾンの投与日数は、抗菌薬使用群で4.1±0.6日、非使用群で2.7±0.4日となり有意差が認められた(t検定,P=0.04)。またDOCの投与量においても抗菌薬使用群で有意に高かった(t検定,P=0.04)。一方、DCF療法においてアプレピタント使用の有無によって抗菌薬使用率等に有意差は認められなかった。この結果については、アプレピタント使用時にはデキサメタゾンの投与量を半量にしているため感染症リスクへの影響がみられなかったと考えられた。以上より、DOCの投与量とステロイドの投与日数が、がん化学療法時の感染症発症リスクとなる可能性が示唆された。
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