Project/Area Number |
22929008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅳ
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
土屋 千佳子 山梨大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2010: ¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
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Keywords | リボフラビン / 安定性 / 光分解 |
Research Abstract |
○研究目的;ファモチジンは、着色剤としてリボフラビンリン酸エステルナトリウム(FMN Na)を含有するKCL注射液(KCL注)と混合することにより、含量が低下することが報告されているが、その詳細は不明である。これまでに我々は、FMN Naの光分解過程で生成するラジカル体により、ファモチジンが酸化分解されることを示唆する結果を得ている。ところで、KCL注中のFMN Naの光分解による他配合薬剤の安定性への影響についての情報は少ない。そこで本研究では、KCL注と種々注射液を配合した際の配合薬剤の安定性を評価した。 ○研究方法;生理食塩液1000mL中に種々注射液および1モルKCL注10meqキット「テルモ」((株)テルモ)を種々の比率となるよう混合し、室内光下(400lux)または遮光下で室温保存した。その後、試験液中に含まれる薬物およびFMN Na含量を一定時間経過毎に定量した。さらにpH測定および外観の色調変化を観察した。薬物量は高速液体クロマトグラフィーにより、FMN Na量は紫外可視分光光度法により測定した。 ○研究成果;π共役系を有するフロセミド等の種々注射液とKCL注を混合し室内光下に保存した際、薬剤およびFMN Naの含量低下が認められた。薬剤により含量低下プロファイルに差が認められたが、その原因はFMN Naラジカル体または一重項酸素への反応性の違いによるものと考えられた。また、π共役系を有していないトラネキサム酸とKCL注を混合すると、室内光下でも薬剤含量の変化は認められなかった。次にFMN Na光分解抑制作用を有するトリプトファンを添加すると、種々薬剤およびFMN Na含量に変化は認められなかった。 臨床現場において注射液をKCL注と混合した際、室内光下にて投与時間が長時間となる場合にはFMN Naの光分解に伴い配合薬剤の含量が低下する可能性が考えられ、その影響はπ電子共役系を有する薬剤において大きいことが予想された。
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