Elucidation of the binding pathway of mismatch-binding molecules to abnormally elongated repeat sequences and their shortening-inducing effects
Project/Area Number |
22H00351
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 37:Biomolecular chemistry and related fields
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中谷 和彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70237303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 知範 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (80711960)
山田 剛史 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (80633263)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥42,640,000 (Direct Cost: ¥32,800,000、Indirect Cost: ¥9,840,000)
Fiscal Year 2024: ¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
Fiscal Year 2023: ¥15,990,000 (Direct Cost: ¥12,300,000、Indirect Cost: ¥3,690,000)
Fiscal Year 2022: ¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
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Keywords | リピート / 修復酵素 / 低分子 / スリップアウト構造 / ミスマッチ / 結合分子 / 経路探索 / 短縮機構解明 / DNA / 異常伸長 / シトシン / 化学修飾 |
Outline of Research at the Start |
ハンチントン病などの神経変性疾患ではゲノム上のCXGリピート配列の異常伸長が発症原因となる。本提案研究では、提案者が創製したミスマッチ塩基対を認識する低分子化合物が示した、異常伸長したリピート配列への結合と、in vivo での短縮効果から見出した2つの核心的学術的問い、「CAGリピートDNAが形成するCAG/CAG部位に分子NAが結合することにより、どのような生体反応が誘起されたのか?」と「分子NAとNCDはなぜ、そしてどのように2:1複合体を形成するのか?」について、統合的な理解の獲得とより高い短縮効果を示す化合物創製への展開を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
トリヌクレオチドリピートと呼ばれるCXG配列(XはA, C, G, T)の異常伸長は、いずれの配列でもリピート病の発症に関係している。以前の研究から得られた核心的な2つの学術的問い、1)CAGリピートDNAが形成するCAG/CAG部位に分子NAが結合することにより、どのような生体反応が誘起されたのか?と、2)分子NAとNCDはなぜ、そしてどのように2:1複合体を形成するのか?に対して、次の二項目、1)分子NA、NCDの結合による修復酵素系への影響評価、2)2:1結合複合体形成の静的・動的要因の解明を目指し研究を開始した。 1)分子NA、NCDの結合による修復酵素系への影響評価 研究提案時の想定に反し、評価対象としたリピート配列が、修復酵素反応の in vitro 評価の結果、分子NAやNCDの結合により、APOBECファミリー修復酵素の良い基質とはならないことが判明したため、APOBEC修復酵素の良い気質となる疾患関連リピート配列を探索した。修復酵素としては、シチジンデアミナーゼ活性を持つAPOBECファミリータンパク質を用いた。その結果、脆弱XE症候群の原因遺伝子であるCCGリピートが、APOBEC3Aの良い気質となる可能性を見出し、CCGリピートについて詳細に研究を進めることとした。 2)2:1結合複合体形成の静的・動的要因の解明(担当 中谷) 22年度に合成した親和性が低下したNA, NCD誘導体を用いて、それらのCAG, CGG配列などへの結合について、詳細に解析した。合わせて、計算機シミュレーションを実施し、複合体形成における化学構造が及ぼす影響を定性的に考察した結果、分子NAやNCDのリンカー中央の二級アミノ基がプロトン化された際に生じるN-Hが、協同的な結合を促進している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の想定に反し、修復酵素反応の in vitro 評価を行った結果、評価対象としたリピート配列が、分子NAやNCDの結合により、APOBEC修復酵素の良い基質とはならないことが判明した。研究遂行上、APOBEC修復酵素の良い基質となるリピート配列を用いることが不可欠なため。修復酵素反応への影響が顕著な配列と分子の選定を追加して実施する必要が生じた。疾患関連リピート配列について、APOBEC3Aとの反応を詳細に検討し直した結果、研究実績の概要に記載したようにCCGリピートが良い気質である可能性が判明した。一方、当初検討を計画していた化合物NCDは、CCGリピートに対しての親和性は低いため、あらたにCCGリピートに結合する分子を化合物ライブラリから選択し直す必要が生じている。これらの再実験、検討に時間を要するため、進捗は当初計画に対してはやや遅れている状況であるが、よりよい気質を見出すことができれば、研究としは順調に進むものと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
1)分子NA、NCDの結合による修復酵素系への影響評価 APOBEC修復酵素の良い基質となるリピート配列、できれば疾患に関連した配列を見つけることに専念する。CCGリピートが良い気質となる可能性が大きいため、CCGリピートを中心に検討する。実験方法は、基質となると思われるDNA配列に対して、APOBEC修復酵素を作用させ、生じたウラシル塩基を含むDNAをウラシルグリコシダーゼにより処理し、生じる切断バンド強度から基質としての適性を判断する。適切な配列を見出した後に、ヒト線維芽細胞などを用いた細胞内での反応を評価する。また、当初予定していた配列が変更となるため、新しい基質に結合する化合物も同時に探索するとともに、新たに合成した化合物による修復酵素反応への影響も検討する。 2)2:1結合複合体形成の静的・動的要因の解明 親和性が低下したNA, NCD誘導体を用いて、それらのCAG, CGG配列などへの結合について、詳細に解析する。解析方法としては、もっとも簡便な評価法であるDNAの融解温度変化の測定により、結合強度の目安を得た後、滴定型熱量分析法により、結合の熱力学的パラメータを取得する。さらに、核酸と低分子の複合体の質量分析を実施し、複合体形成の化学量論を明らかにする。これらの実施結果を総合的に判断して、結合親和性が低下した理由を明らかにし、複合体形成の作用機構について仮説を提唱する。合わせて、計算機シミュレーションを実施し、複合体形成における化学構造が及ぼす影響を定性的に考察する。手法としては、密度汎関数法による構造最適化計算を実施し、最適化された構造における安定化要因を考察する。可能であれば、MP2レベルでのFMO計算により、複合体形成要因を定量的に解析する。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)