| Project/Area Number |
22H00377
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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| Allocation Type | Single-year Grants |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Medium-sized Section 40:Forestry and forest products science, applied aquatic science, and related fields
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| Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菊池 潔 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (20292790)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 喬 長崎大学, 総合生産科学研究科(水産学系), 准教授 (40749701)
細谷 将 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60526466)
竹内 裕 金沢大学, 生命理工学系, 教授 (70418680)
平瀬 祥太朗 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (90635559)
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| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2025)
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| Budget Amount *help |
¥42,250,000 (Direct Cost: ¥32,500,000、Indirect Cost: ¥9,750,000)
Fiscal Year 2025: ¥9,100,000 (Direct Cost: ¥7,000,000、Indirect Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2024: ¥9,880,000 (Direct Cost: ¥7,600,000、Indirect Cost: ¥2,280,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,880,000 (Direct Cost: ¥7,600,000、Indirect Cost: ¥2,280,000)
Fiscal Year 2022: ¥13,390,000 (Direct Cost: ¥10,300,000、Indirect Cost: ¥3,090,000)
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| Keywords | 性決定 / 性染色体 / 性決定遺伝子 / 貝 / 魚 / 魚類 |
| Outline of Research at the Start |
水産分野において、性決定遺伝子は典型的な有用遺伝子のひとつであるが、この遺伝子を含むゲノム領域の進化が速すぎることが原因で、はばひろい利用が進んでこなかった。この「速すぎる進化」の特徴について、これまでに次のような可能性をみいだしている。 ・性決定領域は、急速に「伸び縮み」する。 ・伸びた性決定領域の内部では、性決定遺伝子以外の遺伝子が頻繁に入れ替わる。 本研究では、これらの特徴の存在を明確にし、これを逆利用して、性決定遺伝子を同定する手法を開発する。さらに、この進化プロセスの一般性を検証し、水産動物における性決定領域進化の全体像を捉えることを目指す。
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| Outline of Annual Research Achievements |
①目的1 フグ類を用いて急速に伸長する性決定領域の特徴を解明する 1) 3種の性決定領域の概要を把握するため、フグ近縁3種の雌雄それぞれ複数個体について全ゲノム配列を得て、k-mer解析を行った。その結果、3種のオス特異的配列の一部を得ることができた。2) 上記のアセンブル結果から、性決定領域には多くの反復配列が蓄積されていることが暗示された。そこで、ロングリードシーケンス技術により、Y染色体のDNA配列を3種すべてについて決定することを試みた。その結果、1種のY染色体については性決定領域と疑常染色体領域がつながった配列が得られた。他の2種については、Y染色体配列の再現は不完全であったが、性決定のコア領域については連続した配列を得ることができた。3) ゲノムアセンブリの高精度アノテーションを行うため、稚魚の卵巣と精巣につきトランスクリプトームデータを取得した。これを用いて、アノテーションを行うと共に、性決定領域に含まれるの遺伝子発現の解析に利用した。4) 3種の性決定領域に含まれる遺伝子群の配列を種間で比較し、分子系統解析の結果もくわえて、その獲得と消失の時系列を推定した。その結果、性決定領域に含まれる遺伝子には、急速に種間分化が進み消失してしまう遺伝子や、重複によりコピー数を増やす遺伝子が存在することが明らかとなった。性決定領域は、全ゲノム中で最もダイナミックに遺伝子の増減が認められる領域であることがわかった。
②目的2 軟体動物で初となる性決定遺伝子同定への挑戦 1) アワビの性決定領域を探索するため、雌雄それぞれ10個体につき全ゲノム ショートリード シークエンシングデータを得た。2) ①と同様の手法を用い、性決定領域を探索を継続中である。3) ①と同様の解析を用いた高精度配列の構築に着手した。4. 機能解析法確立にむけて、飼育設備を整えた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度は計画どおりに研究を実施したが、その結果は良い意味で予想を超えていた。すなわち、フグ近縁3種の比較解析により、ゲノム中を動き回る性決定領域(複数遺伝子から構成される遺伝子複合体)が存在することを見出した。この結果をもとに、フグで見いたされたような「可動性の性決定領域」が、他の多くの脊椎動物や植物にさえも存在する可能性を指摘する論文を執筆し、これを出版することができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
①目的1 フグ類を用いて急速に伸長する性決定領域の特徴を解明する 昨年度は計画どおりに研究を実施し、予想を超える成果を得ることができた。すなわち、フグ近縁3種の比較解析により、ゲノム中を動き回る性決定領域(複数遺伝子から構成される遺伝子複合体)が存在することを見出し、こういった「可動性の性決定領域」が他の多くの脊椎動物にも存在する可能性の提唱に至った。一方で、その遺伝子複合体の中でどの遺伝子が性を決定しているのかは未解決問題として残された。そこで本年度は、性決定遺伝子本体の同定を目指す。この遺伝子複合体の中には、そのDNA配列が3種で保存されているものから全く保存されていないものまで存在し、さらに、保存されている遺伝子の中でも、その保存度に大きな差がある。この急速なDNA配列の分化情報を利用することで、性決定遺伝子候補を絞り込むことを試みる。すなわち、配列分化速度が最も遅いものが性決定遺伝子であるという作業仮説をたて、この遺伝子の機能が欠損したフグをゲノム編集技術により作出することで、その性決定能の検証を行う。 別途、急速に伸長する性決定領域の特徴の明確化を継続する。この課題が残された理由は、フグ近縁3種の中で2種の性染色体DNA配列構築が、そこに充満する繰り返し配列が原因で不十分であったためである。繰り返し配列が多いDNA配列構築に最適と言われているPacBio HiFiシーケンス技術を用いて、配列構築を行う。
②目的2 軟体動物で初となる性決定遺伝子同定への挑戦 昨年度は計画どおりに、アワビの雌雄それぞれ10個体ずつの全ゲノムリシーケンシングデータを得た。さらに、参照ゲノム配列の仮構築も行うことができた。本年は、これらのリソースを利用して、アワビ性決定遺伝子座の同定を目指す。また、昨年度はアワビの飼育設備を整えたので、今年度は機能解析法確立にむけた条件検討を開始する。
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