Innovative polymer materials based on elucidation of the mechanism of novel functions of ionic polysiloxanes
Project/Area Number |
22H02142
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 35020:Polymer materials-related
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
原 光生 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (10631971)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥17,810,000 (Direct Cost: ¥13,700,000、Indirect Cost: ¥4,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,360,000 (Direct Cost: ¥7,200,000、Indirect Cost: ¥2,160,000)
|
Keywords | イオン性高分子 / ポリシロキサン / 力学物性 / 湿度応答 / 自己集合 / 水和 / アイオノマー |
Outline of Research at the Start |
本研究では、イオン種やイオン量、主鎖の分岐数、モノマー配列などを様々に設計したイオン性の直鎖状ポリシロキサンを合成し、温度や湿度制御下の様々なキャラクタリゼーションを実施する。これにより、イオン性の直鎖状ポリシロキサンの堅硬性や自己集合性の発現機構を明らかとする。イオン性ビニルポリマーの性状とも対比させながら研究を進めることで、ポリシロキサン材料の機能化に向けた新たな学理を構築するとともに、高分子材料全体における普遍的な知見を提供する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、イオン種やイオン量、主鎖の分岐数、モノマー配列などを様々に設計したイオン性の直鎖状ポリシロキサンを合成し、堅硬性や自己集合性の発現機構を解明することである。 令和4年度は、イオン基ユニットと非イオン基(ジメチルシロキサン)ユニットからなるランダム共重合体を二種類の二官能性シランカップリング剤から合成し、湿度制御下の各種in-situ測定(X線回折法や水晶振動子マイクロバランス(QCM)法、赤外分光法)にて系統的に自己集合挙動を評価した。その結果、非イオン基ユニットの割合が増えるほど自己集合の秩序が高くなった。これまでイオン性ポリシロキサンの自己集合を支配するのは分子内や分子間でのイオン凝集であると想定していたため、この結果は予想に反する結果であった。また、既存の変性シリコーンオイルの構造式に近づくほど自己集合しやすくなるという事実は、これまで見逃されていた性状が複数存在する可能性を示唆しており、興味深い。さらにイオン性ポリシロキサンのホモポリマーに関して、イオン基部分のハロゲンが異なるポリマーを3種類合成し自己集合を調べたところ、その秩序や周期サイズが周期表の序列に依存しないこともわかった。 令和4年度の研究において自己集合に最適なイオン基密度が存在することが示されたため、今後はイオン基サイズまで視野に入れて研究を展開していく。研究開始時点で予想していなかった成果を複数見いだすことができ、当初の計画以上の進展があった。これらの成果は論文や学会で積極的に報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初、イオン性ポリシロキサンの自己集合には中和度が重要であることが分かっていた。そのため、中和度が高いほどイオン凝集が積極的に起こり自己集合が誘起されるというメカニズムを想定していた。しかしながら、イオン基ユニットを非イオン基であるジメチルシロキサンユニットで希釈していくほど自己集合の秩序が高くなった。さらに、ハロゲン種の異なるイオン性ポリシロキサンの自己集合を調べた結果、周期表の序列に依存しない自己集合挙動であり、これも当初予想していなかった結果である。 このように研究開始時点で予想していなかった成果を複数見いだすことができ、かつ今後の研究計画に新たな指針を示すことができたため、当初の計画以上の進展といえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はハロゲン以外のイオン種も含めてスクリーニングを実施する。酢酸などの、塩酸よりも酸性度の低い酸も用いる。また、これまではカチオン性のポリシロキサンを中心に評価していたが、アニオン性のポリシロキサンにも展開していく。測定法に関しても令和4年度は斜入射X線散乱(GI-SAXS)測定を主に用いていたが、令和5年度はGI-SAXS測定に加えて、テラヘルツ分光や重水素加湿赤外分光法などの新たな測定法を取り入れ、多角的に分析する。これらの実施計画に基づき、イオン性ポリシロキサンの自己集合について考察を深める。
|
Report
(1 results)
Research Products
(16 results)