音楽療法による身体活動量および末梢循環改善の定量的変化に関する研究
Project/Area Number |
22K00261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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Research Institution | Nagoya University of Arts |
Principal Investigator |
森川 泉 名古屋芸術大学, 芸術学部, 准教授 (10828635)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 音楽療法 / 皮膚血流変化 / 活動量 / 体表温度 / 自律神経反応 / 高齢者 |
Outline of Research at the Start |
音楽療法の効果としてのエビデンスは2Cレベルにとどまり,広く臨床利用されるところまでには至っていない.申請者はこれまで,音楽療法に関する基礎的および臨床的研究を蓄積し,近年では生理学的視点をもって音楽療法の効果を明らかにすることに努めてきた. 音楽療法の効果を科学的に評価して治療へつなげるためには,音楽療法によって生じる身体変化の詳細を明らかにすることが必要となる. 本研究計画では,音楽療法がもたらす身体活動賦活効果を自律神経活動や皮膚温に反映される血流変化の可視化によって明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は昨年度施行した音楽療法プロトコールの調整を行い、健常高齢者に対して音楽聴取を取り入れた音楽療法を実施し計測を行った。 【音楽療法プロトコール(セッション構成)の修正】多感覚(視覚、聴覚、体性感覚)に働きかけ、同時に認知機能、情緒、運動機能、時間感覚を賦活する能動的音楽療法に加えて、5分間程度の受動的音楽療法(春夏秋冬の唱歌のピアノ演奏)をセッション構成に挿入した。これら特徴的事項を取り入れた7つの小項目を含む音楽療法セッション構成では、参加者の記憶にあるなじみの曲の使用、写真を用いた視覚的刺激の取り入れ、操作が簡単な楽器(ベル、リズム楽器)を用いた演奏機会の提供、使用楽曲による情緒への働きかけ、に留意した。また歌唱活動ではその場でリクエストに応えるなど、参加者の意思、好みに合わせた楽曲を用いて活動の楽しみを提供し、参加者とのコミュニケーションを行いつつ音楽療法を遂行する等、通常の音楽療法介入法と同様に行った。【音楽療法の実施】愛知県北名古屋市回想法センター利用者である健常な高齢者20名(男性6女性14名:平均年齢80.9歳±3.9歳)を対象とし、1グループ5名程度、計4グループに対し1回約45分間の音楽療法を施行した。担当は音楽療法士である著者と、計測者1名であった。【計測】①身体反応の計測として、体表温度計による手指皮膚温度の精密測定を音楽療法実施前後、各7つの小項目ごとに計測を行った。②全参加者に小型活動量計による活動量の計測を行った。両計測計とも小型のポータブル計測装置であり、侵襲性・拘束性は無い。【アンケート】音楽療法終了後に、気分の変化、身体的状態に関するアンケート調査を実施した。現在解析中のデータを元に学会発表を予定している。 本研究は音楽療法受療の際の身体的生理学的な変化を科学的に評価することで、音楽療法の新たな効果が示せるという意義を持つ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
音楽療法プロトコールの修正および作成、音楽療法使用楽器の購入、健常高齢者への音楽療法実施と音楽療法施行中の体表温度計による手指皮膚温度及び小型活動量計による活動量の計測、音楽療法施行後のアンケート実施、とこれまでのところおおよそ順調に進展している。 現在、令和4年度と同様に、体表温度計による手指皮膚温度と小型活動量計による活動量を計測し、5年度分のデータ及びアンケート調査用紙を解析中である。 令和5年度も新型コロナ感染症インフルエンザ感染症対策のため、病院入院患者、施設入所者に対する音楽療法の実施は実現できなかった。 健常高齢者に対する音楽療法では、コロナ感染症対策のため、当初予定の対象者1グループの設定10名から1グループ5名程度に変更したが、1グループの参加人数が少ないことで参加者とのコミュニケーションが円滑に取れ、音楽療法遂行と計測については順調に進めることができた。 初めて受動的音楽療法をプロトコルに挿入したが、参加者が使用した骨伝導イヤホンの性能にばらつきがあり、急遽スピーカーを用いることなった。一方でスピーカーでの聴取は参加者の共有感が増したことが感じられ、次年度はスピーカー使用を考慮に入れる予定である。今後も参加者の聴覚の状況をよく把握することも必要となることが考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度に計測した皮膚表面温度、活動量計データの解析の結果より、セッション構成の各項目と血流や心拍変化の特徴を検討し、令和5年度では音楽療法の自律神経系への効果として考えられる項目として、受動的音楽療法を挿入した。受動的な音楽療法についての結果を解析し、能動的音楽療法項目との比較を行う予定である。また現在進行中の解析結果によっては、さらにセッション構成を修正しつつ実践を行う計画である。アンケートにおいては能動的活動、受動的活動についての参加者の気分と身体状態を質問する内容であり、引き続き同様の内容で行う。 令和5年度と同様に令和6年度も計測、アンケートを実施し、さらに解析を進める。特にリズムを表出する活動、懐かしい歌唱活動、楽器演奏の項目と音楽聴取の項目における皮膚血流変化、活動量変化を明らかにする。 音楽療法の実施については健常者、及び認知症と診断された高齢者、あるいは精神疾患患者(各10名程度)に対して施行する予定である。ただし認知症高齢者入所施設、精神疾患患者入院病院では現在でも感染症対策が厳しい状況があり、予定している疾患を有する対象者に対する音楽療法実施が難しいことが考えられる。そのため年代を変えた健常者を音楽療法対象者として計測を施行することも再度検討中である。20代、30代、40代のうち、可能な集団に対し音楽療法を施行し、手指表面温度と音楽療法中の活動量を計測し、さらに音楽療法終了後にアンケート調査を実施することを予定している。各年代の健常者における音楽療法に対する生理学的変化の実際をとらえる事ができるものと考えている。 またデータ解析を進め、音楽療法における手指表面温度変化を視覚的に提示することにより、国内外における学会発表を予定している。 以上、引き続き音楽療法参加者に見られる生理学的・身体的介入としての変化を科学的に評価していく方針である。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)