Project/Area Number |
22K00301
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高野 奈未 日本大学, 文理学部, 教授 (30646815)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 近世文学 / 古典注釈学 / 国学 / 真淵 / 古典学 / 和歌 / 日本近世文学 / 賀茂真淵 / 女性 / 古典注釈 |
Outline of Research at the Start |
本研究は現在の古典読解の基礎を築き、近世中期の新しい文学ジャンルの成立にも影響した国学者の一人である賀茂真淵の文芸と学問について、その成立経緯、活動の具体相・背景を明らかにし、文学史に正確に位置付けるものである。特に、真淵の古典注釈学の前提となった門人との古典研究の実態、先行する注釈書と真淵の方法との差異や継承の具体相、和歌門人との交流関係の解明を行う予定である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、賀茂真淵の文芸と学問について活動の実態を明らかにし、文学史に正確に位置づけることを目指すものである。 研究2年度にあたる今年度は昨年度に引き続き基礎研究の拡充を目指し、真淵の文芸のうち和歌を主たる対象とし、昨年度判明したこれまでとりあげられてこなかった資料の調査を集中的に行った。それにより紀州藩における真淵の和歌指導の実態を明らかにすることができた。この成果については次年度以降に研究論文をまとめ公表する予定である。 昨年度から行っている真淵の女性門人に関する調査・分析を継続し、その和歌作品に対する注釈を行った。女性門人は真淵の指導を実践しつつ、歌集の形式や和歌の詠みぶりにおいて個人差が見られることが明らかになった。これにつき歴史学・倫理学の研究成果を取り入れて近世女性とりわけ奥向きの女性の置かれた生活実態および思想状況を踏まえて検討し、女性の階級・身分といった立場により和歌に違いが生じるものかどうかを精査している。また、この注釈作業の過程で新たに複数の調査の必要性が生じた。次年度以降この調査を行う。 以上の通り、研究計画に即して可能な限りで研究を進め、予想以上の研究成果を得ることができた。ただし初年度に新型コロナウイルス感染症の影響などのために研究計画から遅れが生じた分を取り戻すには至っていない。データの入力を行うためのアルバイトも候補者が見つからず断念せざるを得なかったことも研究のさらなる迅速化を阻むものとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示した通り、当初より予定していた資料に加え、昨年度新たに発見した資料についても調査を行うことができた。また和歌の注釈作業も順調に進めることができ、作品の特徴を具体的に把握するとともに、新たな課題も発見することができた。以上の通り本年度は研究を順調に進展させることができたが、初年度に新型コロナウイルス感染症の影響などのために研究計画から遅れが生じた分を取り戻すことはできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も本研究課題の研究計画にしたがって研究を進める。手元にある資料および複写資料を活用して、分析・検討を進め、効率的に研究を実施するようにもする。データの管理・活用につき機器・ソフトを新たに導入し、効率的に研究を進める。所属機関においてはバイアウト制度を利用することが現状ではまだできない状態であるが、学内の制度が整い次第バイアウト制度を利用し、研究時間を確保するつもりである。
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