『狭衣物語』現存諸本の悉皆調査と作品読解に関する総合的研究
Project/Area Number |
22K00310
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
須藤 圭 福岡大学, 人文学部, 准教授 (70706613)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 狭衣物語 / 諸本 / 本文 / 異文 / 注釈 / 寝覚物語 / 夜の寝覚 / 日本古典文学 / 享受 / 作り物語 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、平安時代後期成立の物語文学である狭衣物語を対象にする。この物語は、諸本によって大きく異なる本文内容をもつことから、複数の諸本を分析する必要性が指摘されているものの、既存の研究は、未だ、ごく限られた諸本だけを利用し、一面的な作品理解にとどまっている状況にある。こうした状況を打破するため、本研究では、200本を超える現存諸本の悉皆調査を実施することによって、錯綜する本文内容を整備しつつ、複数の諸本を総体的に捉えた新たな作品読解の視点を提示する。
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Outline of Annual Research Achievements |
1. 本研究は、狭衣物語の200本を超える現存諸本の悉皆調査を実施することによって、錯綜する本文内容を整備しつつ、複数の諸本を総体的に捉えた新たな作品読解の視点を提示することを目的としたものである。本年度は、前年度から継続して、『日本古典籍総合目録データベース』(『国書データベース』)や各機関刊行目録、中田剛直『校本狭衣物語』(全3巻、桜楓社、1976年~1980年)、さらには、売り立て目録などを用いて、概要調査を実施した他、本研究の基盤になると思われる諸本の調査もおこなった。 2. とりわけ、本研究の基盤になると思われる鎌倉時代、室町時代書写の諸本のうち、複数の諸本を調査した。 3. 狭衣物語の本文研究に資する目的として、狭衣物語を含む平安朝物語における源氏物語の影響を考察した。源氏物語から大きな影響を受けた平安朝物語において、その影響は、どのような形で物語本文にあらわれているのか。そこに、それぞれの物語の本質がひそんでいるはずだ、という目論見のもとで調査をおこなった。なお、その際、狭衣物語の本文異同にも注意し、狭衣物語研究の新たな方法論を模索、開示することにもつとめた。この成果は、既に論文としてまとめており、次年度に刊行される予定である。 4. 狭衣物語の本文研究に資する目的として、狭衣物語と同じ平安時代後期成立の寝覚物語の本文研究を、前年度から継続して、実施した。ごくわずかな諸本しか伝わっていない寝覚物語の本文をどのように校訂していくべきか。諸本の本文と、その読みをめぐる問題を考察した。この成果は、既に論文としてまとめており、次年度に刊行される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、次年度以降に計画している悉皆調査に先だつ概要調査を実施するとともに、諸本の実見調査もおこなった。しかし、実際の実見調査は、当初目的に照らして順調に行うことができず、やや遅れていると判断せざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
計画的なスケジュール管理につとめ、当初目的に沿いつつ、悉皆調査を実施する。また、その研究成果を、学会発表、論文、講演、公開講座などの形で公表し、広く社会に還元していく。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)