Project/Area Number |
22K00319
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西山 康一 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (40448212)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | 芥川龍之介 / 肉筆資料研究 / 作品読解的研究 / 肉筆資料 / 作品読解 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、文学研究における〈肉筆資料研究〉と〈作品読解的研究〉との接続・統合を、芥川龍之介のいくつかの作品を取り上げて検討するものである。たとえば『芥川龍之介資料集』(山梨県立文学館編集・発行、1993年)では芥川の肉筆資料が写真版で大量に掲載されるなど、その肉筆資料が注目されてこなかったわけではない。しかし、それらの〈肉筆資料研究〉の成果が芥川研究において〈作品読解的研究〉にまで接続・統合されてきたかというと、「羅生門」など一部の作品を除いて、そうした研究は比較的手薄だったように思われる。本稿の学術的独自性・創造性は、その空白を埋めることにあるといえよう。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、文学研究における〈肉筆資料研究〉と〈作品読解的研究〉との接続・統合を、芥川龍之介のいくつかの作品を取り上げて検討するものである。芥川の肉筆資料についてはこれまで注目されてこなかったわけではないが、それらの研究成果が芥川の〈作品読解的研究〉にまで接続・統合されてきたかというと、やはり「羅生門」など一部の作品を除いて、そうした研究は比較的手薄だったように思われる。本研究ではそこを鑑み、芥川龍之介作品を対象に、〈肉筆資料研究〉と〈作品読解的研究〉との接続・統合を試みることを目標とする。 本年度(2023年度)は本研究課題の活動2年目ということで、本研究課題1年目に行った資料調査をもとにさらに同様の調査を継続しつつ、上記の目標に基づき、芥川の初期~中期の作品(「羅生門」・「地獄変」・「秋」など)を検討し、その論文化を進めてきた(ただし、まだ公刊出来ていない)。 その他、主な研究活動としては、国際芥川龍之介学会の国際大会(2023年10月28・29日)・同学会研究集会(2024年3月30日)への参加(特に後者では司会を務める)、あるいは藤沢市文書館(2023年4月4日訪問)、田端文士村記念館(202312月10日訪問)、倉敷市薄田泣菫生家(2023年11月3日)、日本近代文学館(2024年3月9日訪問)、西宮市薄田泣菫旧居跡(2024年3月24日訪問)等で、肉筆資料の実視調査または資料・情報収集を行った。 また、「現代詩講座『詩のピクニック』公開講座」で、本研究課題に関わる講演(演題『薄田泣菫と芥川龍之介の交流』)を行う(2023年11月25日、於赤磐市くまやまふれあいセンター会議室)など、来年度以降の本格的な研究成果公開に向けて、少しずつ公開活動もしてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度(2023年度)については、本研究課題の活動2年目ということで、芥川龍之介の中期作品まで検討することを目標として、当初から位置付けていた。その検討に関しては行ってきたが、その研究成果の公開という点では、講演会などで発表する機会はあっても、論文化して公刊するまでには至らなかった。 昨年度(本研究課題1年目)は、本研究課題の基盤づくりの年と位置付けて、研究対象である芥川龍之介の、特にその肉筆資料に関わる基礎的情報を収集することを中心に行い、実際その点についてはおおむね順調に進んでいるように感じたのだが、コロナ禍のこともあって多少やり残しがあり、またさらにその調査を深めるに従って新たに確認すべきことが出てきたりして、今年度も引き続き肉筆資料の実視調査または資料・情報収集を行うことになってしまった。 そうした状況を鑑み、以上のように判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(2024年度)が本研究課題の最終年度ということもあり、これまで以上に研究成果の公開を意識して、そちらへ重点をシフトしていきたいと考えている。 また、本年度(2023年度)は本研究課題2年目ということで、前項に記したように前年度の肉筆資料の実視調査、資料・情報収集をさらに深めて来た。しかし、芥川の肉筆資料に関する研究は、現在これまで以上に急速に進化している。それに対応すべく、引き続きそれに関する調査・収集を進めていきたいと考えている。
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