Project/Area Number |
22K00321
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中尾 健一郎 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (30511662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 友香梨 佐賀大学, 全学教育機構, 教授 (10441734)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 石井鶴山 / 倉永辰芳 / 北海観風草 / 鍋島宗教 / 鍋島治茂 / 八条流馬術 / 依助流馬術 / 岩淵加兵衛 / 漢学 / 漢詩 / 佐賀藩 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、近世中期を生きた漢詩人石井鶴山(1744-1790)の生涯とその夥しい数の交友関係から見えてくる文人ネットワーク、鶴山の詩文の価値と意義を解明し、文学史における位置づけを行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度はまず、石井鶴山と佐賀藩の馬術師倉永辰芳の交流について調べ、鶴山が倉永辰芳・清雄兄弟の顕彰に携わっていたことを明らかにした。 倉永辰芳のことは、これまで殆ど知られておらず、したがってその功績も埋もれていた。辰芳は江戸中期の佐賀藩で馬術師を輩出した倉永家の三代清辰の次男として生まれ、馬術修行としては初の官費留学を許され、仙台藩の馬術師範・岩淵加兵衛に就いて学んだ。帰国後は鍋島宗教、重茂、治茂の三代の藩主に馬術師範として仕え、三千人の門弟を育成したとされる。鶴山は辰芳の門人から依頼を受けて、「倉永先生行状」を執筆している。これは後に鍋島治茂と古賀精里が、それぞれ「倉永翁七十寿序」「倉永翁碑銘」を執筆する基礎資料となった。鶴山はまた辰芳から依頼を受け、主君の病気平癒を祈願して清水の滝下にて絶命した弟清雄を記念する「倉永節士清雄碑銘」を執筆している。さらに辰芳の致仕後は「詠倉永氏」を作っている。 本研究では、鶴山のこれらの作品を読み解くことにより、辰芳の人物像と佐賀藩の文化史における倉永家の馬術師家としての位置づけを試み、その成果を論文「佐賀藩の馬術師・倉永辰芳の事蹟ー石井鶴山「倉永先生行状」を中心に」にまとめて発表した。 次に、石井鶴山『北海観風草』を読み進め、成果の一部を「石井鶴山の『北海観風草』の旅(其の三)ー源氏の英雄たちを偲ぶー」「同(其の四)ー日本神話ゆかりの古蹟に遊ぶー」として、『鶴山書院報』(公益財団法人孔子の里)第12号、第13号に掲載した。 その他の作品についても、研究分担者と共同で地道に訳注作業を進めている。なお研究分担者は、鶴山と古賀精里の交流について調べ、その成果を整理・分析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
石井鶴山と松平君山の交流については、研究分担者との共編著『石井鶴山先生遺稿』所収作品を中心に読み解くことにより、その実態を検証している。鶴山を君山に紹介したのは、京都時代の師である高葛陂であることは判明しており、葛陂や君山に関係する資料を調査することによって、鶴山と君山及びその周辺の人物らによって形成されていた文人ネットワークを明らかにできる見通しである。
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Strategy for Future Research Activity |
石井鶴山と松平君山の交流について明らかにし、1年前後の名古屋時代において鶴山が君山から影響を受けたとすれば、古文辞派の鶴山の作風にそれがどのように現れているかを分析していく予定である。 また『北海観風草』の訳注作業も継続して行う。 研究分担者は、引き続き鶴山と佐賀藩の漢学者たちとの交流について調べ、可能であれば2023年度または2024年度にその成果を公表する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)