浄瑠璃・歌舞伎の「キリシタン」ものの背景としての異国意識と影響としての日本意識
Project/Area Number |
22K00344
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
加藤 敦子 都留文科大学, 文学部, 教授 (40625448)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | 歌舞伎 / 浄瑠璃 / キリシタン / 表象 / 東アジア / ナショナリズム / 演劇 |
Outline of Research at the Start |
江戸時代の歌舞伎や人形浄瑠璃では、「キリシタン」を連想させる表象を備え、異国にゆかりのある主人公が、邪宗と妖術で人心を惑わし、謀反人として大名家乗っ取りや日本国転覆を企てるという枠組と趣向を持つ作品が度々上演されている。本研究では、そうした作品に登場する「キリシタン」の表象を網羅的に調査した上で、当時の外交状況、キリシタンの取り締まりと巷談、演劇作品の検閲といった問題を併せて検討することにより、「キリシタン」を主人公とする作品が「キリシタン」のイメージを固定化し、東アジア諸地域に対する異国意識を育て、近代以降の東アジアへ諸国へのまなざしにつながったことを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、異国に縁ある主人公が「キリシタン」的要素で表される邪宗と妖術を用いて謀反を企てるという枠組と趣向を持つ浄瑠璃・歌舞伎作品が主として18世紀に数多く上演されていたことを踏まえ、東アジア諸地域をいわば仮想敵とする作品が作られた背景にある当時の異国意識のあり方と、それと対になるナショナリズム形成への影響を明らかにすることを目的とする。 2023年度は、前年度に引き続き、浄瑠璃・歌舞伎作品に表れる「キリシタン」的要素、および、「キリシタン」的要素を備える人物を演じた歌舞伎役者に関するデータの収集と整理を進めた。 また、研究分担者として参画している他の科研費を利用して、西尾市岩瀬文庫と名古屋市蓬左文庫で切支丹に関する実録ものを中心に閲覧・調査を行い、両文庫所蔵の実録ものの写本の残存状況から、18世紀中頃に島原一揆への関心の高まりがあった可能性の手がかりを得た。 これは、本研究で明らかにしつつある、18世紀中頃に「キリシタンもの」の歌舞伎・浄瑠璃がしばしば上演され、ある種の流行的状況を呈していたという事実と符合するが、本研究で収集した「キリシタン」的要素のデータからは、実録ものの写本内容が直接的に歌舞伎・浄瑠璃作品に影響を与えたという証跡は見いだせなかった。このことから、当時の「キリシタンもの」上演と島原一揆への関心の関連性を社会全体を覆う気分から検討していく必要が明らかになった。 一方、校務多忙により番付・絵尽しなどの文献調査の出張は見送ることとした。 文献調査が完了していないため論文の公刊には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
校務多忙により、予定していた文献調査の出張を見送ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
番付・絵尽しなどの文献調査を実施して必要なデータの収集を完了させ、8~9月に研究発表を行う予定である。 発表内容は2025年3月刊行のアジア遊学その他に掲載を予定している。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)