Project/Area Number |
22K00347
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
木村 洋 上智大学, 文学部, 准教授 (70613173)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2026: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
|
Keywords | 告白小説 / 生田長江 / 私小説 / 作家論 |
Outline of Research at the Start |
告白小説、私小説と呼ばれるものは明治末に生まれ、大正期に大きく発展する。この動きは、文学者の私生活を公的な意味を帯びたものとして盛んに報道していく大正期の言論環境と密接に結びついている。この状況のなかで文学者の生活は社会に公開され、批評され、公的に討議されるべきもの、つまりある作品として位置づけられる。ではこのように文学者の生活を作品視し、社会に公開していく大正期の創作はどのように生み出され、どのように当時の言論環境と関連していたのか。本研究はそのことを包括的に検討する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は明治末と大正期の言論環境を見据えつつ、告白の潮流の実体と背景を明らかにすることを目指している。 主に告白の潮流と文学者の地位向上の関係について今年度に考えた。告白を検討するうえで、文学者の地位向上は見逃せない論点である。日露戦争後に文学者の地位が大きく変わりつつあったことは、いくつかの事実から裏づけられる。 たとえば1907年の文士招待会(西園寺公望首相と文士の食事会)、1908年の生田葵山「都会」の発禁処分をめぐる裁判は、新聞でこぞって報じられた。このとき文学者は社会的な論議の的として人々の注目を集めた。さらに1908年に川上眉山と国木田独歩が死んだとき、新聞はこの二人の文学者を偉人として書き立てた。こうした報道は1909年の二葉亭四迷の死去においても変わらない。 当時の報道の様子を詳しく知るために、東京に流通していた新聞10紙、すなわち『都新聞』『東京二六新聞』『毎日電報』『東京日日新聞』『報知新聞』『万朝報』『読売新聞』『時事新報』『国民新聞』『東京朝日新聞』を調査した。さらに『太陽』『中央公論』などの論壇誌、『早稲田文学』『文章世界』『帝国文学』『スバル』などの文学雑誌などに目を通した。 その結果、文学者の地位が向上していった様子を具体的に確かめることができた。同時に、文学者が自身の思想と人生を公的な意味を帯びたものと見なしていく動向も見えてきた。この動きは当然ながら告白の潮流を棹さしていたはずだ。 告白小説(私小説)が現代に至る日本文学の主流の一つを形作っていくことを踏まえれば、先の明治末の展開はきわめて重要な意味を持っているだろう。以上のことを遠からず論文か著書にまとめたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在のところ大きな問題は見られない。
|
Strategy for Future Research Activity |
先の研究内容を踏まえながら、今後大正時代の言論環境と告白の潮流の関係について考えていきたい。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)
-
-
-
-
[Book] 変革する文体2022
Author(s)
木村洋
Total Pages
358
Publisher
名古屋大学出版会
ISBN
9784815811082
Related Report