Project/Area Number |
22K00429
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
大森 夕夏 城西国際大学, 国際人文学部, 准教授 (60366995)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 黒人文学 / ユダヤ文学 / ホロコースト / アフリカ系アメリカ文学 / ユダヤ系アメリカ文学 |
Outline of Research at the Start |
メソジスト派の黒人の牧師の息子として生まれ、人種差別に苦しみながら宗教遍歴を重ね、アイデンティティを模索し続けた末にユダヤ教に改宗するという異色の経歴を持つ作家ジュリアス・レスターは、黒人差別とホロコーストとの間に質的違いを感じ、その違いを表現できる作家になりたいと考えていた。そこでレスターがホロコーストを扱った小説『神の自伝』を取り上げ、黒人としての視点が彼のホロコースト小説にいかなる独自性を与えているかを検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、ユダヤ教に改宗したアフリカ系アメリカ人作家ジュリアス・レスターによるホロコーストをテーマとした小説を中心に扱い、黒人の視点とユダヤ人の視点がどのように反映されているかを考察するものである。 レスターは、公民権運動の最中反ユダヤ主義論争に巻き込まれた経験があるが、ホロコースト関連の文献を読んで深く心を動かされ、悪に対する怒りと犠牲者に対する共感、哀悼、祈りに人種が関係することに疑問を感じてもいた。ユダヤ教に改宗後は複雑化したアイデンティティのため、人種と宗教に基づく差別問題にさらに巻き込まれることとなる。このような背景で書かれたのが、ホロコーストをテーマとした小説『神の自伝』(2004年)である。この作品はファンタジックなミステリー小説とも言えるが、ホロコースト、人種、宗教など、さまざまな問題を絡み合わせながら、レスターが長年熟考し続けた神と悪の問題を主軸に据えた意欲作である。 レスターの作品の大半は黒人文学に分類される絵本、民話、児童書であるが、まずはこうした作品から彼の世界観を理解するためにレスターの一次資料の収集を行った。ほとんどの書籍が海外からの取り寄せであったため、書籍の入荷が完了した時期と2022年9月の渡米の時期がほぼ重なり、本年度の研究は資料収集が中心となった。資料の読み込みと分析、アメリカでの資料収集など予定していた研究については、海外における業務滞在のための研究中断から復帰後に再開する。
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