Project/Area Number |
22K00484
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02050:Literature in general-related
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
呉 世宗 琉球大学, 人文社会学部, 教授 (90588237)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 沖縄 / 復帰 / 反復帰 / 復帰運動 / 東アジア / 沖縄返還 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、「日本」「沖縄」「国家」が深く問われ、東アジアでも盛んに議論された1960年から72年までの復帰運動について、東アジアの観点も含めて総体的な評価を試みる。 具体的には、第一に、沖縄での復帰運動と反復帰論を多様な「沖縄」創出の試みであったと読み替え、それぞれの「沖縄構想」を抽出する。第二に、日本本土で現れた沖縄返還についての議論を全般に取り上げ、本土側の「沖縄構想」を整理・分析する。第三に、韓国の民衆と在日朝鮮人の沖縄返還についての議論を分析し、外から見られた復帰運動像や沖縄像を提示する。最終的には「東アジア」の観点も含めて復帰運動を多元的な「沖縄構想」の場として捉える。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、東アジアでも盛んに議論されつつも、しかしながら未だ総体的な評価が与えられていない1960年から72年までの沖縄での復帰運動についての総合的な研究となる。そのために沖縄、日本、東アジアでいかなる「沖縄」が構想され、あるいは表象されたのかを分析し比較検討することで評価のための基礎を構築しようとするものである。そのための方法としては、1)沖縄での多様な「沖縄」創出の試みを抽出する。2)日本本土で現れた沖縄返還についての議論も収集し本土側の「沖縄構想」を整理・分析する。そして3)韓国の民衆と在日朝鮮人の沖縄返還についての議論を分析する。そうすることで復帰運動を「東アジア」の観点も含めて総体的に捉え、復帰運動を多元的な「沖縄構想」の場として提示する計画である。 2023年度は、前年度に引き続き沖縄における復帰運動、反復帰論の資料収集および分析、日本本土での返還に関する資料収集を行った(上記の1))。神村政良を中心とした沖縄返還国民運動協議会の運動資料などを収集した。またこれまで未整理であった沖縄青年同盟の資料集についても収集し、彼らの運動についても分析を行い新聞紙上に論考を載せた。 それに加えて2023年度は、復帰運動と反復帰それぞれの多様な「沖縄構想」を論じていくために日本本土側の沖縄返還議論について資料を収集し、本土側の「沖縄構想」を明らかにするための分析に着手した。また韓国および在日朝鮮人による沖縄返還に関する言説の分析、そして復帰運動の総体的な評価作業に着手した(上記の2)および3))。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスによる移動制限や図書館等の入館制限も解除され、資料収集に関して問題なく遂行できている。また収集した資料はデータベース化し、学会発表や論文作成のための環境構築も進めている。新型コロナウイルスによる制限解除は、沖縄の内外、あるいは韓国の研究者との交流も可能にし、その点において研究会での発表や相談が以前と同様にできるようになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2024年度は、韓国で沖縄返還に関する資料の収集も進めていく。新聞『中央日報』『東亜日報』『京郷新聞』等の復帰運動関連記事、雑誌『詩と批評』『文学春秋』『思想界』『現代文学』『文学思想』等での関連の論説などを収集する予定である。また金石範や金時鐘などの在日朝鮮人知識人たちの沖縄返還に関するエッセーや文学作品を収集・分析も予定している。
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