文学から気候変動を読む―現代日本文学と英語圏の気候小説を中心に
Project/Area Number |
22K00488
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02050:Literature in general-related
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
芳賀 浩一 城西国際大学, 国際人文学部, 教授 (70647635)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2026: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | エコクリティシズム / 気候変動 / 比較文学 / 環境批評 / 文学理論 / 気候小説 / Atmosphere |
Outline of Research at the Start |
21世紀は環境の時代とも呼ばれ、中でも気候変動は懐疑派の見解も含め今世紀最大の環境的課題である。英語圏では気候変動が科学や政治だけでなく、文学にとっても重要であると考えられ、2010年代中頃から研究が始まっている。一方、日本の文学研究においてこの問題はまだほとんど手が付けられていない。本研究は日本においていかなる惑星文学・気候小説が存在し、それらがいかなる特質を持っているかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アダム・トレクスラー(Adam Trexler)の『人新世小説―気候変動時代の小説』(Anthropocene Fictions:The Novel in a Time of Climate Change, 2015)やアントニア・メーネルト(Antonia Mehnert)の『気候変動文学―アメリカ文学における地球温暖化の表現』(Climate Change Fictions: Representations of Global Warming in American Literature, 2016)をはじめ、英語圏を中心に欧米では盛んに行われている気候変動に焦点を当てた文学評価・分析が日本においてはほとんど行われていない状況を鑑み、気候変動をテーマとする現代日本の文学作品をエコクリティシズム(環境批評)の視点で分析し、英語圏との比較を通してその特質を示すことを第一の目的としている。当初の計画において、筆者は初年度に日本語で書かれた「気候変動」に関する文学作品を網羅的に調査して分類・整理し作品の特徴を明らかにすること、さらに英語圏における代表的な気候変動小説とその評価を整理・分類することを予定していた。 筆者は2022年8月の招待講演において、人新世の課題に続いてインド出身の作家アミタヴ・ゴーシュの新しい評論(The Nutmeg’s Curse, 2021)の内容を分析して解説を行い、英語圏と非英語圏の「気候変動小説」の歴史的背景の違いと今後の課題について論じた。また、計画に沿って日本の気候変動小説を調査し、英語圏の代表的な気候変動小説の収集も進めているが、コロナ禍における移動・物流の制限もあり、資料の整理と分析に関しては当初の予定通りには進捗しなかった。本年6月には海外において日本の気候小説についての研究発表を予定しており、そのための準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在の進捗状況は、当初の計画に比べてやや遅れている。第一の理由はコロナ禍における移動や物流の制限である。2022年度後半には状況が改善したが、年度前半は対面での学術交流の制限や海外書籍の遅配もあり予定通りには進まなかった。そして第二の理由は、期間延長をしていた別の科研研究が最終年度となったことである。そのため、本研究のテーマに集中的に取り組むことが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は本研究に集中して取り組み、日本の資料を可能な限り収集して整理と分析を進め遅れを取り戻したい。本年6月には海外での研究発表を予定しており、その内容を年度内に出版することを計画している。また英語文献の読解と整理も進め、日本と英語圏の気候変動小説を比較して異同と課題を抽出したい。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)