Project/Area Number |
22K00506
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西脇 麻衣子 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (60613867)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 不定詞・zu不定詞 / dass節 / 文法化 / 古高・中高ドイツ語 / zu不定詞 / コピュラ / ACI構文 / 定形・非定形 |
Outline of Research at the Start |
ドイツ語のzu不定詞は、歴史的に、名詞化された動詞が方向を表す前置詞zuと結びついた形で目的を表したことから発達してきた。一方、zuのない「むきだし」の不定詞は古くから様々な動詞とともに用いられてきたが、通時的に見ると、話法の助動詞や使役・知覚動詞以外ではzu不定詞が使われるようになった。また、補足成分をdass節で表してきた動詞タイプの一部ではzu不定詞が用いられるようになった。本研究は、定形のdass節と非定形の(zu)不定詞が、機能上どのように競合し、また、役割分担してきたのかを、ドイツ語史の各々の言語段階における韻文・散文作品をコーパスとして用い実証的に示すことを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
ドイツ語のzu不定詞は歴史的に、名詞化された動詞が方向を表す前置詞zuと結びついた形で発達してきた。例えば、現代ドイツ語でコピュラ動詞seinとzu不定詞から成る構文は「(主語の対象が)~され得る・~されなければならない」という受動かつ可能ないしは義務的な意味を表すが、構文の歴史的成立過程を見ると、前置詞zuのもつ意味合いが前面に出て、名詞化された動詞の表す出来事の生起が予期される・見込まれるというニュアンスが強い。現代ドイツ語におけるように受動や話法の意味が歴史的にどのようにして獲得されたのかについて、昨年度(2022年度)から引き続き考察している。 一方、zuのない不定詞は古くから様々な動詞とともに用いられてきたが、通時的に見ると、限られた意味タイプの動詞とのみ使われるようになり、多くの動詞ではzu不定詞がそれに取って替わるようになった。zu不定詞はまた、補足成分をdass節で表してきた動詞タイプの一部や、副詞的な従属を表すdass節でも用いられるようになった。一つの動詞がその補足成分としてzu不定詞・zuのない不定詞・dass節のいずれとも統語的つながりをもつものにduenken(「~に思われる」)がある。現代のドイツ語では使用頻度はあまり高くないが、ドイツ語の最古期から例証されている動詞である。現在、この動詞の意味的・統語的変化について検討中であり、9月に口頭発表を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
他の研究プロジェクトの方に集中せざるを得ず、結果的に当課題に時間を割くことがあまりできなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(2024年度)は、本研究課題の初年度から携わっているsein+zu不定詞の歴史的成立過程、及び、受動や話法の表現体系内での併存や役割分担について論文にまとめたいと考えている。また、上の「研究実績の内容の概要」で述べたduenkenの意味的・統語的変化についても論文として発表したいと考えている。
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