Project/Area Number |
22K00521
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
内田 慶市 関西大学, 東西学術研究所, 研究員 (60115293)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | イソップ / ロバート・トーム / エンブレム / 魔女裁判 / 水審 / 白話 / 漢訳イソップ / マテオリッチ / ルッジェリー / ローマ / バチカン / 言語接触 / 官話 / 東アジア文献資料 / イソップ東漸 / 東西言語文化接触 / 文化交渉学 / 西学東漸 / 宣教師 |
Outline of Research at the Start |
16世紀以降のキリスト教宣教師を中心とするいわゆる「西学東漸」という「東西言語文化接触」の大きな潮流において、一つの具体的事象である「イソップ寓話」の東アジアへの伝播、すなわち「イソップ東漸」に焦点を当てて、その東アジア(とりわけ中国)への伝播の歴史を辿りながら、その受容と変容と定着の過程を明らかにする中で近代における東西異言語文化接触の本質に迫ろうとするものである。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はこの数年で新しく発見されたルッジェーリ(羅明堅)のイソップについて主に研究を続けてきている。その由来の多くはイタリアのアンドレア・アルチャーチによる『エンブレム』に見られることや、今のイソップには採用されているが、元々のイソップにはなかった寓話(「めくらとびっこ」)が実はエンブレムを元にしていることなどが分かってきた。まら、ルッジェーリの「通俗故事」に収められている寓話はイソップ以外に多くの中国の民間伝説や故事を元にしており、それらとイソップの受容の仕方も興味深いものであり、今後の研究課題となるものである。 また、ずっとこれまで謎であったロバート・トームの「意拾喩言」の中の「意拾勧世」という寓話が中世の魔女裁判の「水審」に由来することがほぼ明らかになったが、しかし、トームが何故それを採用したかについては不明である。本来のイソップには収められていないものをトームはある意図をもって導入したはずであり、そのことの解明が待たれるところである。 この他に、これまでのイソップ研究で抜け落ちてきた問題の所在が随分明らかになってきている。 なお、ルッジェーリのイソップは極めてこなれた「白話」で書かれており、中国語の文体の資料としても有益である。ロバート・トームの白話文言混合体、このルッジェーリの白話体、また北京語で書かれたポアロの「古新聖経」等々との比較研究もまたこれからの大きな課題となっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
やはり新型コロナによって行動が制限されたことにより、思うとおりの資料調査、発掘が出来なかったことが大きな要因となっている。しかし、この半年来、ようやく元の環境に戻りつつあり、当初の計画通り、漢訳イソップ研究の集大成を目指す予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度が最終年度であり、これまでの研究成果をまとめて、世に問うことを考えている。 おそらく「イソップ拾遺」といったタイトルで一冊の本にまとめる予定である。 また、最終年度として出来れば漢訳イソップのシンポジウムを開催したいとも考えている。
|
Report
(2 results)
Research Products
(13 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 周縁資料と言語接触研究2023
Author(s)
奥村佳代子・内田慶市ほか
Total Pages
186
Publisher
関西大学東西学術研究所
ISBN
9784910433394
Related Report