分散形態論の語彙挿入メカニズムの研究:日本語助数詞に注目して
Project/Area Number |
22K00537
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Toyo Gakuen University |
Principal Investigator |
依田 悠介 東洋学園大学, グローバル・コミュニケーション学部, 教授 (00745672)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 分散形態論 / 数詞 / 助数詞 / 名詞句の統語構造 / 言語学 / 数 / 統語論 / 形態論 / 日本語 |
Outline of Research at the Start |
本研究課題では、「ある単語が二つ以上の現れかたを持っている場合(go~wentなど)にその音の決定のシステムを解明する」ことが最終的な目標である。この問いに関して、分散形態論という語生成メカニズムの仮説を採用して説明する。この仮説を検証するために、本課題では日本語の数量表現に見られる和語と漢語の交替および名詞句と助数詞の選択関係の例を用いて検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度に実施した研究として二つ挙げられる。一つ目は2022年度に行った研究成果の発表である。二つ目は数詞と助数詞および、それらが計量対象とする名詞句の間の統語的な関係に関わる研究である。 一つ目については、2022年では主に数詞と助数詞の間の語種の一致に関する研究に関して、NHKアクセント辞典や単位の辞典、数え方の辞典などに掲載される例を観察し、その一般性を明らかにすることができたと思われる。それらに関して、韓国、ハノイでの学会発表を行い研究成果を公表した。また、2023年には分散形態論の枠組みでさまざまな研究成果を掲載した漆原・大関(2023)の刊行もあり、当該研究に関する知見が社会でも蓄積されつつある状況である。これらを鑑みて、現在韓国・ハノイでの学会発表の内容をまとめた論文を執筆し、刊行の準備を行なっている。 二つ目に関しては、2023年は新たに数詞・助数詞とそれをホストする名詞句に関する研究を実施している。これまでにも当該研究は認知言語学や記述言語学で注目を浴びていた。また、形式的研究においても、渡辺の一連の研究があり、ある程度の知見が蓄積されている。しかしながら、現時点では本研究においては、数詞・助数詞・名詞句に関する統語構造が包括的に検討しきれていない。また、意味論の観点からも近年研究が進んでいるため、先行研究の知見を洗い出し、これまでの本科研費で行なった研究との統合が必要となっている。また、2024年3月のポズナンの学会出張の際に当該現象に関してアジアの諸言語で示唆的なデータが存在する可能性を指摘されたため、当該領域に関して言語の幅を広げる必要があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した数詞と助数詞の語種に関して口頭発表・論文発表が進んでいる。これらにかんしては、概ね研究の進捗としては順調である。また、日本語に関する数詞・助数詞および名詞句に関するこれまでの研究成果に関しては概ねまとめることができたと考えられる。 しかしながら、研究を進めていくにあたり、現在研究対象としている現象は日本語の例だけではなく、世界の言語の類型にも関わるため、東アジアやアジアの言語からの知見が重要な研究データとなってくることが判明した。データを数多く収集し、そこから現行の理論的枠組みが日本語の数詞・助数詞・名詞のみならず幅広いデータを説明しうるのかに関して検討する必要があることが課題として判明した。この点に関して2024年度は理論研究を進めていくと同時にデータ収集の必要があると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には、2022年度、2023年度の研究を踏襲していくこととなるが、さらなるデータの収集が必要となると考えられる。 また、2023年までに明らかにしてきた数詞・助数詞・名詞の関連に関する統語的な理論の構築に関して今後一層精査し、口頭発表や論文発表の形で社会に公表していく必要がある。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)