Project/Area Number |
22K00584
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02070:Japanese linguistics-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大木 一夫 東北大学, 文学研究科, 教授 (00250647)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 文法論 / 叙述 / 文法 / 文論 |
Outline of Research at the Start |
日本語の述語文は客観的側面と主観的側面から成り立つとされ、近年は前者の叙述と呼ばれる点、とくに、叙述の類型の議論が盛んである。しかしながら、類型を決定づける要素や、どのような類型を認めるべきかという点には検討の余地がある。また、文の成り立ちにおける叙述の機能という点も十分明らかになっていない。そこで、本研究は日本語述語文の叙述にどのような類型があるかという点を、文における構成要素の有無にととまらず、叙述というまとまりによって実現される意味のあり方を視座に明らかにし、また、それぞれの類型のもつ機能を明らかにする。そして、その帰結を、「のだ」文・ウナギ文などの分析を通じて検証していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
日本語の述語文について、近年、叙述類型という観点からの議論が盛んとなっている。しかし、どのような類型をどのように認めるかという点には検討の余地があり、また、叙述の機能という点でも十分明らかになっていない。そこで、本研究は、叙述の類型としていかなるものをいかに認めるべきかという点を考察する。そして、それをふまえて、その叙述のタイプがどのような機能を果たすのかを明らかにすることを目的とする。また、その帰結を「のだ」文のような現象に適用して、その有効性を検証しようとすることも視野に入れるものである。 本年度は、昨年度の研究において認めるべきことが明らかになった類型について、それがどのような機能を果たすのかという点について検討をおこなった。その検討においては、措定文・指定文といった名詞述語文の分類を起点とした分類が、名詞述語文の分類にとどまるものではなく、叙述類型を認めていく観点として、重要なもののひとつであることが明らかになったことから、この点について検討をおこない、措定文類=属性叙述の有する機能、および、指定文類=指定叙述のもつ機能を明らかにした。さらに、現象文という類型も叙述類型のひとつと考えられるという帰結から、現象文の意味を分析することを通じて、現象文=事象叙述の果たす機能を明らかにした。むろん、これまでにも属性叙述・事象叙述(・指定叙述)の果たす機能は一定程度明らかになっていたが、それをより精緻なものにあらためた。 さらに、これらの機能は文構造において、どこがになっているのかという問題についても、検討を加えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の検討にもとづいて認められた叙述の類型に対して、それがそれぞれどのような機能を果たすのかという点についての検討は、かなりの成果をあげたといえ、また、その機能がどこにになわれているのかといった問題の提起にいたりつくこともできたが、その結果を『現代日本語書き言葉均衡コーパス』の例文とつきあわせて、その可否を検討するという点は、叙述の機能の検討およびあらたな問題点の確立にむけて多くの時間を割くことになったため、十分に取り組めなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまで認めてきた叙述の類型、および、それらの機能について、『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ)の例文とつきあわせて、その可否を検討するとともに、さらなる類型を認める必要がないかを慎重に検討する。また、これらの機能は文構造においてどこがになっているのかという問題についても、叙述を構成する構成要素との関係を重点的に考えながら、明らかにしていく。加えて、その帰結の妥当性を、「のだ」文のような文法現象を通じて確かめていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)