An Empirical Study on the Coordination of Native Language Education and English Language Education Based on the Development of Metalinguistic Abilities
Project/Area Number |
22K00776
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02100:Foreign language education-related
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Research Institution | Hosen College of Childhood Education |
Principal Investigator |
五十嵐 美加 こども教育宝仙大学, こども教育学部, 講師(任期付) (80880814)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | メタ言語能力 / ことばへの気づき / 自己効力感 / 実践研究 / 教科等横断的指導 / 動機づけ / 学習方略 / 教科横断的指導 |
Outline of Research at the Start |
メタ言語能力が外国語習熟度に正の影響を与えるということは先行研究で明らかになっている(e.g. Lasagabaster, 2001)が、学校現場におけるメタ言語能力育成の具体的な方法やその効果については未だ不明な点が多く、その知見は教育実践で活用されるに至ってはいない。そこで、本研究では英語学習におけるメタ言語能力育成の実践的有用性をより強固に裏付けるべく、動機づけと学習観(学習に対する信念)という、学習プロセスに大きく関与すると考えられる変数を取り上げ、メタ言語能力育成を目的とした教授法の効果を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度実施した小学校6年生を対象とした調査で未着手となっていた遅延データの分析に着手し、メタ言語能力育成を目的とした授業について持続的な効果を含めて検証した。メタ言語能力とは、言語そのものの構造や機能について意識をめぐらせることができる能力のことである。本研究では、メタ言語能力が外国語習熟度に正の影響を与えるということが先行研究で明らかになっていることから、学校現場におけるメタ言語能力育成の具体的な方法やその効果に関する知見を得ることを目的とした。 対象となった66名の児童は、メタ言語能力テストに事前(Time1)・事後(Time2)、および事後テストの約半年後(Time3)に回答し、言語学習に関する質問紙(動機づけ・信念)については事前・事後のみ回答した。ただし、事前の質問紙調査については全調査協力児の約半数の回答しか得られなかった。なお、動機づけ・信念についても遅延データを取得予定であったが、協力校の事情により、事前・事後の2時点のみの調査となった。 分析の結果、Time1とTime2の間でメタ言語能力テストのスコアに有意な上昇が見られた。また、Time3のスコアはTime1のスコアよりも有意に高く、授業の効果は半年後にも維持されていることが確認された。一方、動機づけ関連変数のうち、言語学習に対する自己効力感については有意なスコアの低下が確認された。 また、本研究の参考となる知見を得るべく、小学校3年生を対象とした音韻意識に関する実験を実施した。しかしながら、実験と統制群の間に顕著な差がみられなかったことから、本実験ではフォニックスの指導による日本語の音韻意識への直接的影響については明確な証拠が得られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は小学校6年生を対象とした教育実践とその効果について、遅延データを含めた分析結果をThe 20th Biennial EARLI (The European Association for Research on Learning and Instruction) Conference において発表した。当該の発表は、前年の関東甲信越英語教育学会第46回栃木研究大会の際に、他の参加者からのコメントを踏まえて当該研究データを再分析し、加筆修正してまとめた成果である。なお、The 20th Biennial EARLI Conferenceでは、研究発表の採択基準としてabstractの査読通過が定められているが、本研究は評価者平均約80点(100点満点)を獲得して、採択されたものである。 また、小学校3年生を対象とした音韻意識に関する実験に関しては、その研究成果をまとめたものを言語科学会 (JSLS: The Japanese Society for Language Sciences)第25回年次国際大会(JSLS2024) で発表予定である(アブストラクト採択済み)。 さらに、今年度出版した著書Global Gate Upper-intermediate -Video-based Four Skills Training-には本研究の成果の一部が利用されている。本書は、日本語を母語とする中上級レベルの英語学習者向けの教科書である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の授業実践は児童のメタ言語能力向上に寄与するという示唆が得られた一方、自己効力感には負の影響を与えるということが示唆されている。現在、前年より課題となっている「難易度の調整」や「課題内容の改善」を鋭意検討中である。引き続き、介入内容、およびメタ言語能力測定方法の調整に努める。早急にこれらの課題を解決し、今年度中に再実験を実施予定である。 また、今年度小学校3年生を対象にした実験では、フォニックスの指導が日本人英語学習者の母語(日本語)における音韻意識に与える影響を検討したが、実験群と統制群の間に顕著な差がみられなかった。この結果は先行研究(加藤ら, 2020)とは一致していない。これは、先行研究と本研究において日本語音韻意識の測定方法が違う(先行研究ではモーラレベル、本研究では音素レベル)ことによってもたらされた結果であると考えられる。音素レベルでの意識にまで寄与するためには本実験の手法は不十分であった可能性がある。この実験は母語教育と外国語教育の連携の在り方を探究する上で重要な取り組みである。今後は、介入方法や測定方法の改善により、先行研究結果との違いをより深く追究し、より良い言語学習の在り方の解明を目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)