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第二次世界大戦期日本の「大東亜共栄圏」政策の国際比較に関する研究

Research Project

Project/Area Number 22K00852
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 03020:Japanese history-related
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

安達 宏昭  東北大学, 文学研究科, 教授 (40361050)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Keywords日本史 / 近現代史 / アジア太平洋戦争 / 地域統合 / アジア / 東南アジア / 国際比較
Outline of Research at the Start

1941年の対米開戦により開始されたアジア太平洋戦争中、日本は東・東南アジアを範囲とし、自らを盟主とする「広域圏(地域圏)」である「大東亜共栄圏」の建設を図ろうとした。本研究では、この「大東亜共栄圏」の「広域圏」としての特質を世界史のなかで解明する。
このため第一に、当時の世界でつくられた「広域圏」との比較分析を行う。第二に、戦前は欧米の植民地であった東南アジア地域に対する日本の占領支配に関する諸資料を調査・収集・分析して、「大東亜共栄圏」下の統治方法の特色を、欧米の植民地支配との比較と継承の観点から検討する。これらにより「大東亜共栄圏」政策の特徴を、世界史研究の潮流の中に位置づける。

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、第二次世界大戦期の「大東亜共栄圏」を「広域圏」として捉え、その態様を世界史上のなかに位置づけて、圏域としての独自性や特徴を把握することを目的としている。
本年度の研究業績は、以下の2点である。
第一に、大東亜共栄圏構想を、国立社会保障・人口問題研究所が所蔵する資料を利用して、人口問題・人口配置という側面から再検討を加えた。構想を中核で立案した企画院では、「大和民族」の増殖と配置が極めて重要であると考えていたことが確認できた。大東亜建設審議会の答申原案では、南方では「堕落」するので配置は「主として指導者」のみとし、「新しい」大陸であるオーストラリア・ニュージーランドに注目し、多くの「大和民族」を主に農業に従事するものとして配置する、さらに人口過剰地域であった中国にも移住させるという具体的な計画が立てられていた。
第二に、イギリスの国立公文書館に資料調査に行き、イギリス陸軍省が、かつて自らの植民地であったマレーシア・シンガポールを占領した日本の統治方法や民族政策について分析している資料を発掘した。これら資料は、かつての植民地宗主国のイギリスが、新たに支配を展開する日本の統治政策の問題点を明確に指摘しており、両者の支配政策の重点の違いが把握できる極めて興味深いものである。イギリス陸軍省は1943年12月の段階で、新聞報道などから得られる情報から、日本の占領政策の問題点・矛盾点を明快に指摘し、今後の動向を注視していた。実際、イギリス陸軍省が指摘した問題点から、日本の占領支配は綻びを見せ始め、その矛盾が拡大して、やがて支配を継続することが困難になっていく。その綻びは、現実的な統治を実施したイギリスに対する批判に基づいて、日本が「大東亜共栄圏」という「理念」を打ち出したことや、独立国タイへの配慮から生じてきており、日英の支配方法とその帰結の比較を行うことができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

アフターコロナの物価上昇、戦争による原油高騰・円安などから航空機運賃を始めとする旅費が高騰し、予定していたヨーロッパでの2回の史料調査が1回となり、調査研究はやや遅れている。
今年度は、イギリスでの調査が実施できて、「英領マラヤ」(現在のマレーシア)に関する日英の支配の比較ができたが、オランダには行くことができず、オランダの植民地であった「蘭領東インド」(現在のインドネシア)の資料調査はできなかった。その代わり、東京にある国立社会保障・人口問題研究に所蔵されている資料を調査・分析することにより、人口問題と人口配置、とりわけ人口配置計画が大東亜共栄圏構想においては重視されてことがわかり、ドイツが考えていた生存圏構想と比較するための基盤づくりができた。イギリスと日本国内の資料収集により、比較研究をある程度は進めることができたものの、充分な史資料の調査・収集とは言えず、当初の計画に対してやや遅れが生じている。

Strategy for Future Research Activity

今後は、以下の3点を中心に研究を推進していきたい。第1に、円安の昂進・物価の高騰から、ヨーロッパでの調査を長期間行うことは困難と判断して、オランダでの調査を見送る。つまり、戦前イギリスが植民地とし、戦時期に日本が占領したシンガポール・マラヤの支配について比較研究を行うことに絞り込みたい。ヨーロッパ調査の代わりに、シンガポール・マレーシアに行き、現地にある当時の史跡を調査するとともに、シンガポールやマレーシアの国立公文書館や華社研究センター集賢図書館などを訪問し、日本軍政期の資料や証言を収集し、占領政策の実態を分析する。そして、これらをイギリスで収集した史料や日本側の史料と照合して、マレーシアとシンガポールにおける日本軍政の展開と現地社会・経済に与えた影響を分析する。
第2に、今年度も行っていた、日本以外の「経済圏」についての研究を、英語論文を中心に収集を継続して、その特徴を把握したうえで、これまで行ってきた「大東亜共栄圏」政策と比較を実施する。その際には、今年度学んだTrans-Imperial StudyやNew Imperial Studyの理論も活用する。
第3に、日本国内において、日本軍政が進展した占領後期に関する資料を探索・調査・収集して、軍政全体の展開過程を明らかにする。
そして、上記の研究をふまえて、日本軍政をイギリスの植民地支配と比較し、その統治方法の継承と断絶を分析して、日本による占領支配の特色を明らかにする。

Report

(2 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • Research Products

    (3 results)

All 2023

All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results,  Invited: 3 results)

  • [Presentation] 「大東亜共栄圏」構想と人口問題2023

    • Author(s)
      安達宏昭
    • Organizer
      国立社会保障・人口問題研究所「人口・社会保障研究アーカイブ形成事業」第1回研究会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Invited
  • [Presentation] 「大東亜共栄圏」構想の形成と 展開―経済自給圏の観点から―2023

    • Author(s)
      安達宏昭
    • Organizer
      UNIVERSITY OF CAMBRIDGE; Faculty of Asian and Middle Eastern Studies Seminar
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Int'l Joint Research / Invited
  • [Presentation] Australia in the concept of the “Greater East Asia Co-Prosperity Sphere”2023

    • Author(s)
      安達宏昭
    • Organizer
      Inaugural Curtin Japan Engagement Eventー Japan in the World: Past, Present, Futureー, Perth, Australia
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Int'l Joint Research / Invited

URL: 

Published: 2022-04-19   Modified: 2024-12-25  

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