神奈川県域における江戸幕府評定所裁許絵図の基礎的研究
Project/Area Number |
22K00885
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Cultural History |
Principal Investigator |
根本 佐智子 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 学芸員 (40817607)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 裁許絵図 / 境界争論 / 武蔵国・相模国 / 絵図調査 / トレース図 / 評定所 |
Outline of Research at the Start |
裁許絵図とは、村落や共同体間の争論に対し、江戸幕府評定所等で下された裁許の証拠として作られた絵図であり、裏に裁許文を記す。裁許の内容だけでなく、争論当時の景観が記録された貴重な資料でもある。幕府で保管された裁許絵図は『旧幕裁許絵図目録』(国立国会図書館所蔵)で確認できる。本研究は、『旧幕裁許絵図目録』のうち、現在の神奈川県域にあたる武蔵国橘樹・都筑・久良岐三郡、相模国に関わる裁許絵図65枚の現況を調査し、内容を研究するとともに、デジタル写真撮影・トレース図化して情報を保存・公開し、その成果は単独報告書にまとめ、PDF公開する。
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Outline of Annual Research Achievements |
裁許絵図とは、村落や共同体間の境界を巡る争論に対し、江戸幕府評定所等で下された裁許の証拠として作られた絵図である。大変詳細で、裁許の内容だけでなく、争論当時の景観が記録された貴重な資料でもある。裁許絵図は裁許の証拠として訴訟方・相手方・幕府三者で保管された。幕府で保管されたとされる裁許絵図は関東大震災で灰燼に帰したが、明治期に作成された『旧幕裁許絵図目録』(国立国会図書館所蔵)において年代、名称が確認できる。本研究は、『旧幕裁許絵図目録』のうち、現在の神奈川県域にあたる武蔵国橘樹・都筑・久良岐三郡、相模国に関わる裁許絵図65枚の現況を調査し、内容を研究するとともに、デジタル写真撮影・トレース図化して情報を保存・公開することを目的とする。 本年度は、『旧幕裁許絵図目録』掲載の資料の文献調査を行った。『旧幕裁許絵図目録』掲載の資料名称は国名、郡名、村名(一か村)、論の内容(山論・境論など)で構成されているが、名称の記されている村には確認できなくとも、訴訟相手が複数の村である場合もあるため、近隣村に現存する可能性もある。まず、資料の郡名・村名より該当市町村を推定し、神奈川県史、および各市町村史の掲載状況を確認した。さらに地域の博物館・資料館展覧会図録でも調査を行った。掲載が無い場合は、神奈川県史編纂の際に作成された『神奈川県史資料所在目録』全53集、神奈川県立文化資料館・神奈川県立公文書館で作成される『神奈川県古文書資料所在目録・神奈川県歴史資料所在目録』1~29集にて確認をした。これらにより取得した裁許絵図に関連する情報はデータ化して蓄積した。 また、「相模国第壱號」である「相州愛甲郡七沢村田畑境并山論絵図」(神奈川県立歴史博物館所蔵)について研究し、資料紹介を発表した。絵図は詳細に確認できるよう、A4版のカラー図版で掲載、カラーのトレース図も掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナのため期間延長を行いJP18K00951の最終年度と重なってしまった。今年度は報告書の刊行に加え、研究成果公開の展覧会も開催され、それらの対応でこちらの研究課題に取り組む時間をあまり取ることができなかったが、来年度はこの研究課題への時間を十分に取ることができるため、この遅れを取り戻すことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
文献調査で所在確認が取れた資料に関しては、所蔵・保管先に連絡をとり、調査および写真撮影を随時進めていく。資料所在目録掲載のみ、目録掲載の無い資料に関しては、各自治体史編纂担当及び、文化財担当者、博物館・資料館の近世文書担当学芸員へ聞き取り調査を行い、資料の現況を確認する。研究協力者との研究会を月一回行い、その進行を管理する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)