A study on the role of community-based participatory research on the revaluing process of natural monument 'Nara sika deer'.
Project/Area Number |
22K00997
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03060:Cultural assets study-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
立澤 史郎 北海道大学, 文学研究院, 特任助教 (00360876)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 天然記念物 / 奈良のシカ / 野生動物 / 市民調査 / 対話 / モニタリング / 価値観 / 文化財 / 合意形成 / re-wilding / 再価値化 / コロナ禍 |
Outline of Research at the Start |
奈良公園利用者の激増とコロナ禍による激減を通して人間依存・ペット化が進む天然記念物「奈良のシカ」について、実際に「奈良のシカ」に関心のある市民を中心に市民調査を実践しながら、以下のことを明らかにします。 ①「奈良のシカ」の生息実態と過去千年間の「人-シカ関係」の変容の経緯。 ②天然記念物としての「奈良のシカ」の価値の多様性と、その持続に必要なモニタリング・管理手法。 ③調査を経た市民の「奈良のシカ」および「天然記念物」に対する理解・価値観の変容過程。 以上をもって、市民調査が天然記念物の再価値化に与える効果とプロセスを明らかにします。
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度に続いて奈良公園においてシカの基礎生態のモニタリング調査を市民参加方式で定期的(6週間に一度)に実施し、あわせてそこで発生する当事者間の意見や情報交換、対話やアクションの内容を参与観察した。その結果、前年度と比べて以下の進捗があった。 ①体制については、市民調査(以下「調査」)へのステークホルダーの参加・主体化がより進んだ。特に長年奈良公園やシカを多様な形で見守ってきた市民の参加が特徴的であった。②その結果、”得意エリア”と”役割分担”、個人の知見・経験と客観的事実との”つきあわせ”、複数の参加者による観察視点と観察結果の共有などが発生した。③観察結果の共有はSNS等を通じて広がり、一般市民を対象とした「観察会」の企画・実施へと展開し多くの参加者を得た。④「観察会」では「調査」参加者が進行をサポートする場面が多く見られた。内容的サポートにおいては「調査」時の個人による”発見”が、体制的サポートにおいては個人の知見の紹介が参加者の高評価を得、「調査」と「観察会」が有機的に連携可能であることが実証された。⑤「調査」結果については、シカの季節、昼夜、雌雄による利用場所の違い、公園利用者による多様な影響(給餌、写真撮影、踏み荒らし、交通事故、人身事故など)が明らかになった。⑥この調査結果は、奈良のシカの基礎データとして取りまとめるだけでなく、公園利用者の行動規制の客観的基準(自主マナー)作りへと議論が展開している。 一方、天然記念物『奈良のシカ』を巡る行政・研究者・市民間、および市民同士における価値観(いわゆる科学的保全と生命愛護価値観)の対立は当初の予測以上に激化しメディアを騒がす事態となっている。この事態に対して、双方の立場に加え、中間的立場の市民も参加することで対話(dialog)や上記⑥の議論が進み、市民調査のミニパブリクスとしての機能も実証された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、2024年度まで市民調査を展開したうえで2025年度に市民踏査の機能を検証し、「天然記念物奈良のシカ」とその生息地(奈良公園)の保全(利用と保護)についての提言をまとめる予定であったが、2023年度中に市民調査に大きな発展があり、その体制と機能について検証可能な状態となったため、この評価区分とした。
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Strategy for Future Research Activity |
第一ステージは対話と合意形成の仕組み作りとその機能の検証が目的である。そのため、2024年度中に市民調査の体制と活動成果について、以下の評価を行う。①公園ジカおよび公園利用者の生態モニタリングとしての機能(生態学的評価)、②ステークホルダーを巻き込む対話(dialog)の場およびミニパブリクスとしての機能(社会学的評価)、③ステークホルダーに対するシカと奈良公園に関わる環境学習機会としての機能(環境教育的評価)。 また、これらを踏まえて市民調査の多面的機能の評価を行った上で、第二ステージでは実際の問題解決(軽減・緩和)に向けた実践を行い、参与観察等による市民調査の諸機能の評価・検証を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)