Project/Area Number |
22K01088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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Research Institution | Independent Administrative Institution National Institutes for Cultural Heritage Tokyo National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
久保田 裕道 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 無形文化遺産部, 室長 (00724593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本林 靖久 大谷大学, 真宗総合研究所, 研究員 (30626833)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ブータン / 祭礼芸能 / 文化変容 / 無形文化遺産保護 / 民俗学 |
Outline of Research at the Start |
危機的状況にあるブータンの祭礼芸能の変容実態と、その要因となる社会的環境の変化とを民俗学の手法を用いて調査・分析を行い、画像・映像を併用した報告書を作成する。対象は、タシガン県メラ村を中心とし、その他ブータン各地の事例との比較も行う。方法としては、現状を①形態的変容、②意味的変容、③縮小・休止・廃絶等に分類し、その要因を(a)伝承的必然性(b)社会的要因(c)精神的要因(d)活用的要因等に当てはめて分析を行う。 その上で分析結果が、祭礼芸能の保護にどのように結びつくのかを併せて考察し、最終的な無形文化遺産保護の提言につなげる。また、現状での新型コロナウイルス感染症による変容実態をも検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ブータン王国東部のタシガン県メラ村に伝承される「ヤクチャム」(ヤクダンス)などは、ブータン国内でも希少な祭礼芸能である。しかし近年、自動車道路の開通による生活環境の変化やコロナ禍によって、大きく変容をしつつある。本研究では、その芸能の実態と基盤となる信仰の実態を記録・分析するとともに、変容についての記録と検証を行っている。 当初予定していた令和4年度の現地調査はコロナ禍のために渡航が叶わず、5年度が1回目の現地調査となった。4年度に始めたリモートによる現地とのヒアリング調査と文献調査は、5年度にも継続しており、メラ村の祭礼とその背景となる信仰習俗や様々な風俗慣習についてデータを収集した。その上で8月末より、メラ村の「ワン」と呼ばれる祭礼に赴き、調査と記録作成を行った。調査では、まずヤクチャムの継承団体や祭祀を行う僧侶に、現状と課題について聞き取りを行った。そしてヤクチャムのリーダー宅での準備から出発の儀式、寺院での奉納と露店での門付けに同行し、祭礼の進行とともに記録を行っている。 加えて2日間の祭礼終了の翌日には、ムラの開拓神でもある女神アマジョモを祀る聖山ジョモ・クンカルに参詣する村人に同行。途中の様々な儀礼を含め、メラにおける登拝習俗の調査と記録作成を行った。 今回の祭礼調査および信仰習俗の調査では、日本における祭礼や民俗芸能の伝承との類似点と相違点とを見出すことができた。そうした比較のもと、メラにおける祭礼芸能の変容実態を明らかにし、その要因となる社会的環境の変化について分析を行っている。具体的には祭礼の変容について、①形態的変容、②意味的変容、③縮小・休止・廃絶などに分類し、その要因を(a)伝承的必然性(b)社会的要因(c)精神的要因(d)活用的要因といった観点から分析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請時の予定では、令和4・5年に調査地メラ村での2回の祭礼を調査し、6年度をまとめと補足に充てる予定であった。しかし4年度がコロナ禍によりブータンにおいて海外渡航者の入国が制限されたために、調査計画が1年ずれている。 ただしメラ村出身で首都ティンプー在住のプブ・ツェリン氏と、リモートによるヒアリング調査を定期的に重ねたことで、調査内容自体はほぼ滞りなく満たすことができている。またメラ村出身者が著した文献の分析も同時に行っており、これまでの研究成果も十分に踏まえることができている。 それゆえ、予定より遅れは生じているものの、令和6年度での現地調査を終えれば、成果のまとめには十分に間に合う。ただし令和4年よりブータンの観光税がそれまでの1日65ドルから200ドル(現在は実質100ドル)に上がり、円安の影響もあって、当所の予定よ りも大幅なコストアップとなったため、調査予定を若干短くするなどの影響が出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度である令和6年度には、当初5年度に予定していたもう一つの祭礼「チューコル」について現地調査を行う。リモート調査も継続して進めており、その現地調査を経ることで、メラ村の主要祭礼の変容実態を明らかにすることができる。主たる二つの主要祭礼を調査することによって、メラ村の祭礼の変容実態についてより明確にすることができる。 さらに5年度に調査を行った芸能「ヤクチャム」について、ブータン国内で類似伝承のあるサクテン村を訪ね、聞き取り調査を行う。これによって同種の芸能の継承と変容実態についての比較研究も可能となり、より多様な角度からの分析を行うことができる。 さらに最終的には日本国内の民俗芸能や祭礼における変容事例とも比較をおこないつつ、結果を示す予定である。
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