Project/Area Number |
22K01251
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05060:Civil law-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
石尾 智久 金沢大学, 法学系, 准教授 (50849239)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 人格権 / 不法行為 / 契約 / 情報 / 契約法 / 不法行為法 / 情報法 / デジタル社会 / 人格 / 人の法 |
Outline of Research at the Start |
近年、不法行為法および契約法において、人格に関する様々な法的問題が生じている。そこで、第1に、フランス法における「人の法」や「人格権法」に関する検討を通じて、人格的価値の内実や、不法行為法および契約法において、人格がどのように考慮されているのかについて明らかにする。第2に、この成果を踏まえて、日本の不法行為法および契約法において、人格がどのような意味を持つのかについて考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、人格的価値(利益)に着目した法理論について検討することにある。本年度は、民法における人格権概念のについての検討のみならず、隣接領域についても検討を進めることができた。具体的には、交付申請書の研究実施計画に記載した通り、不法行為と契約という2つの観点から研究を進めた。 第1に、不法行為法と人格に関して、フランスにおいては、人格権の保護法理は不法行為一般から独立していると論じられることや、本人の同意の有無と衡量判断の二本軸から保護法理が構築されていることに着目して研究を進めた。さらに、近時の不法行為裁判例の動向について広く調査をすることによって、人格的価値に関する問題を広く見渡しながら検討することができた(石尾智久「不法行為裁判例の動向」『民事判例27--2023前期』(日本評論社、2023年)20-32頁)。 第2に、契約と人格という観点からの考察も進めることができた。その成果の一部として、国際著作権法学会において、「著作者人格権の不行使特約――日本民法・フランス著作権法の観点から――」と題する報告を行った。そこでは、著作権法学においては、人格的価値に関わることを根拠として、著作者人格権の不行使特約の有効性を否定する見解もあるが、個別の紛争ごとに多様な利益を考慮すべきことのほか、著作者人格権の不行使特約の有効性を肯定したうえで、撤回権の行使による問題解決の可能性を模索すべきことを論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記載した通り、不法行為と契約の両面からの考察を行うことができており、研究成果の一部を公表することができた。さらに、本研究は著作者人格権やデータ保護といった裾野の広い研究となる見通しを得ることができたことから、上記のように評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、不法行為法と契約法の両分野における人格的価値の位置付けについてさらに調査をする。その際には、フランス法における人格権法の意義を解明することに注力するとともに、関連研究者へのヒアリング調査の実施も予定している。
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