Project/Area Number |
22K01315
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 06010:Politics-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小堀 眞裕 立命館大学, 法学部, 教授 (70253937)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | イギリス / 比較政治 / 政治制度 / 労働党 / ポピュリスト / 英国 / 内閣 / 議院内閣制 / 憲法習律 / フランス / 日本 |
Outline of Research at the Start |
憲法習律conventions of the constitutionは、新制度論の中でもちろん早期から政治制度を構成するものと認知されてきた。しかし、その後、その憲法習律が十分に政治学的に探究されたとは言い難い。むしろ、制度論の中では、制度は成文・不文を問わず、今や、市場や言語までが制度institutionと言われ、個別の制度自体を十分理論化しようという動機は政治学全体で大きくはなってこなかった。本研究では、日本では議院内閣制と呼ばれている執政制度を、英仏憲法学において培われてきた習律研究の成果を応用し、政治学としての理論構築を目指したいと考える。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年(令和5年度)においては、小堀眞裕単著として『歴史から学ぶ比較政治制度論ー日英米仏豪』(晃洋書房)を出版した。本書では、研究課題の一つであった憲法習律に関して詳細に論じたほか、新制度論的な政治学に対置される解釈主義の立場から、日英米仏豪という5か国の比較を行い、これまでの先行研究とも異なった成果を出すことができたと考えている。 とくに、日本では、英国において議院内閣制が採用されているという説明が憲法学者政治学の教科書などで必ず行われた来たが、本書では、英国においては法的な意味での内閣は存在しないし、政治的権力を今日は持っていないし、また、持っていると英国の政治学や憲法学では考えてこなかった点などを詳述した。また、そもそも決定原理として、英国では18世紀から内閣内で多数決を許容してきたことに対し、日本では内閣内での多数決を許容してこなかった。しかしながら、日本における憲法学者政治学は、この決定的な違いに事実上気づかず、両者が「議院内閣制」であると説明し、事実上「内閣」そのものの検討を怠ってきた。つまり、よくもわからない英国の内閣を前提として、日本の「議院内閣制」論が展開されてきたことを、看破した。これは日本の憲法学や政治学が認識してこなかった問題であった。 また、関連課題として、渡辺博明編著『ポピュリズム、ナショナリズム&現代政治』(ナカニシ出版)の一つの章として、「引き裂かれた左派ポピュリスト・イギリス労働党」を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
途中経過的な成果ではあるが、単著一冊、論文一本を掲載することができた。来年度は、英国への在外研究を予定しており、英国憲法習律に関してさらに学ぶ予定であり、計画はおおむね順調になりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
英国の議会慣習との関連で近年問題になりつつある、英国の憲法裁判について今年度は論文執筆を予定している。さらに、2024年度日本政治学会では、議会慣習を知るうえで理論的に重要な解釈主義とナラティヴについての分科会を開催する予定である。
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