Project/Area Number |
22K01342
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 06010:Politics-related
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
土山 希美枝 法政大学, 法学部, 教授 (00340498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南島 和久 龍谷大学, 政策学部, 教授 (10404831)
高野 恵亮 大阪公立大学, 大学院都市経営研究科, 教授 (20825541)
岡崎 加奈子 法政大学, ボアソナード記念現代法研究所, 研究員 (50866655)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 松下圭一 / オーラルヒストリー / 政治思想 / デジタルアーカイブ / 地方自治 / 公共政策 / 現代政治史 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、2015年5月に85歳で逝去した政治学者・松下圭一の政治理論が社会科学と社会に与えた影響を可視化し、包括的に把握することを目的とする。 松下の政治理論は社会科学にも社会にも大きな影響を与えた。地方自治、行政学、政治学の分野での活動は、革新自治体、2000年地方分権改革の理論的支柱となった。 松下は、丸山眞男と並び「その理論が社会を動かした」研究者だが、影響が広範なために分野ごと時代ごとで分断され、体系的・包括的な把握や評価がなされていない。本研究で、関係者のヒアリングや資料を用い、松下圭一の「社会科学と社会に与えた影響」を、高度成長期以降の現代史的視角とともに進め、明らかにしていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、法政大学名誉教授である飯田泰三氏へのインタビューを4回にわたって行った。 飯田泰三氏は、日本政治思想史研究者であり、かつ、松下圭一氏・藤田省三氏の同僚でもあった。藤田省三氏は政治思想史研究者として高く評価されると同時に、高度成長期や都市型社会の評価をはじめ、同じ丸山ゼミであり同僚であった松下氏と対比的に語られることが少なくない(代表的な例として、趙星銀(2017)『「大衆」と「市民」の戦後思想―藤田省三と松下圭一』岩波書店)。飯田氏は、法政大学法学部政治学科の同僚として松下氏の研究活動・実践活動を知る立場にあっただけでなく、政治思想史研究者の俯瞰的視点から松下氏の政治理論を分析し、また、松下氏と藤田氏の政治理論の特徴や対比を、人物像とともに語ることができる存在である。 研究チームは事前に質問項目の整理を行い、当日にも打ち合わせをしてインタビューに臨んだ。内容が濃密で多岐にわたることから、回数を重ねることとなった。飯田泰三氏は法政大学100周年記念誌にも、松下氏・藤田氏と法政大学について対談を通じた紹介をしているが、そこでは記載できなかった両氏の着任の経緯、丸山眞男ゼミや平凡社『政治学辞典』における両氏の貢献の実態から、松下氏の研究・実践活動について重要な事実が語られた。 現在、各回3時間半程度4回分の記録を文字起こしし、編集作業を進めている。 また、昨年度、松下圭一氏のご自宅に保管されていた松下氏自身の保管資料について、デジタルスキャンによる保存を進めるよう、DNP(大日本印刷)との協議も行なった。保存状態は良好で、掲載当時の誌面の切り取りや、松下氏の論稿に対する批評などが見られ、松下氏の活動とその当時の評価が網羅的に把握できる貴重な資料として、保存を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究採択当初には想定されていなかった松下氏の自宅保管資料の発見と保存について追加的に進めたが、ヒアリングについては飯田泰三氏のみ(ただし内容は充実している)という実績となった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度となる2024年度は、研究成果の実体化を図る。 飯田泰三氏のインタビューの編集と公開、また生前に行なった西尾勝氏インタビューをご家族の承認を得られた場合には公開すること、松下圭一氏自宅資料のデジタルスキャンを行うこととし、研究のとりまとめを進めたい。
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