Project/Area Number |
22K01417
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07020:Economic doctrines and economic thought-related
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
古家 弘幸 徳島文理大学, 総合政策学部, 准教授 (30412406)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | アダム・スミス / ポリティカル・エコノミー / 英国 / 財政・軍事国家 / 複合国家 |
Outline of Research at the Start |
本研究課題は、「近世英国において、ポリティカル・エコノミーが果たそうとした役割は何か?」という問いに答える。そのために、アダム・スミスが『国富論』(1776年) において、「立法者の科学」と定義した「ポリティカル・エコノミー」の役割をどのように想定していたのかを、18世紀英国の現実の文脈の中で明らかにすることを研究目的とする。最終的には、自然法思想を再編成することで商業の社会変革力、歴史推進力に注目する視点を提供した文明社会史観がスコットランド啓蒙の「ポリティカル・エコノミー」のアイデアの根本にあったことを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該研究課題に関連する成果としては、『イギリス思想家書簡集 アダム・スミス』篠原久・只腰親和・野原慎司・訳 (名古屋大学出版会、2022年)」についての書評を、『図書新聞』(2023年5月20日号) に発表した。スミスの書簡については、これまでの研究においてあまり重視してこなかった史料であるが、書評執筆のために本邦初訳を精読し、改めてその重要性に思いが至ったところである。今後は書簡で示されたスミスの考えについても、重視しながら研究課題に取り組みたいと考えるに至った。また11月18日には、東北大学の西洋史研究会にて、「アダム・スミスと一八世紀英国の通商政策―メシュエン条約と英仏通商条約を中心に」との題目で研究発表を行った。当該研究課題の中で重要な部分を占めるテーマであり、口頭での報告を機にある程度まとめることが出来た。次年度にこの部分は個別の論文として出版する予定である。当該研究課題から派生した成果としては、9月に「英国女王エリザベス二世とスコットランド」との題目で、『徳島文理大学研究紀要』第106号に論文を出版した。また「戦争と福祉―英国の戦時総動員体制から戦後福祉国家へ (1940-1955年)」との題目で、徳島文理大学総合政策学部・編『総合政策学のいま』(デザインエッグ社、2023年9月) の第6章として論文を出版した。これら二つの論文は、当該研究課題が様々な方向に広がっていく射程を持ち得る可能性を示すことが出来たものと考える。年度末には「アダム・スミスとキリスト教神学―同情と義務感を中心に」との題目で、論文を矢嶋直規・編著『近代英国哲学とキリスト教神学』(晃洋書房、2024年2月) の第4章として公表したが、これは別の科研の研究課題の共同成果の一部である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度から海外での研究報告も含めて、順調に成果を公表し、論文としても出版され始めたため。また研究最終年度での出版を目標に、研究書の執筆も順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年11月に、昨年11月18日に東北大学の西洋史研究会にて行った研究発表を元に、「アダム・スミスと一八世紀英国の通商政策―メシュエン条約と英仏通商条約を中心に」との題目で、論文を『西洋史研究』第53号に発表する予定である。8月末から9月初めに英国に赴き、大学図書館や国立図書館、国立文書館で資料調査などを行う計画である。必要な研究図書の購入も、引き続き行う。最終年度までには、研究課題の集大成として、『アダム・スミスの商業文明』(仮題) として、研究書の刊行ができるように取り組む。
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