Project/Area Number |
22K01458
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
高瀬 浩二 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (20350358)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 連関性指標 / 産業連関 / EBPM / 地域経済 / 産業構造 |
Outline of Research at the Start |
EBPMの重要性が増す中,地域経済の産業構造や産業間の依存関係を定量的に把握することが求められている。その目的のため,地域産業連関表・モデルを用いて,産業部門間の連関性指標を計測する手法が広く用いられている。一方,連関性指標には様々なものがあり,根拠とする指標の選択次第で,ある産業の特徴や役割に関する判定結果が異なる場合がある。その要因を探るため,国内外の産業連関表を収集・整理し,それらを用いた様々な連関性指標を計測・比較し,諸指標の特徴や有効性について,実証的および解析的な検討を加える。
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Outline of Annual Research Achievements |
地域経済におけるEBPM(evidence based policy making; エビデンス(証拠)に基づく政策立案)の重要性が増す中,政策立案や投資計画のために,地域経済の主要産業部門を定量的に把握することが求められている。そのためには,地域産業連関モデルから得られる産業部門間の連関性指標を用いることが有効である。連関性指標には様々なものがあり,それぞれ,求められる計算負荷や経済学的な解釈が異なる。また,根拠とする連関性指標の選択によって,地域経済におけるある産業の特徴や役割に関する判定結果が異なる場合がある。このことは,定量的な評価基準を根拠とするEBPM促進の障害になりうる。本研究は,連関性指標の選択に起因する判定の差異の要因を実証的および解析的に検討することを主たる目的とする。その過程で,国内外の産業連関表の収集とそれらを用いた様々な連関性指標の計測を行い,その知見を蓄積する。同時に,自治体関係者にとって計算負荷の高い連関性指標の計算ツールを開発する。 この目的のため,当該年度に行った研究実績は以下のとおりである。(1)数値計算ソフトウェアの実装と地域産業連関分析の基本モデルの運用,(2)計算負荷の軽減を目途とした国際的な研究動向の概観,(3)様々な連関性指標の計測および理論的検討,(4)公表済みの地域産業連関表の収集・整備,(5)地域産業連関表の作成主体である行政への聞き取り調査,(6)都道府県表をもとにした小地域表の簡易的な推計方法の整理と実践,(7)コロナ禍における地域経済への影響の計測。これらの活動を通して,本研究課題の研究対象に対する行政のニーズを把握し,学会内での関連研究に関する情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分析モデルの概念整理および基礎データの収集と整理について,おおむね順調に進展している。また,国際的な研究動向を概観し,様々な連関性指標の概念整理を行った。さらに,行政および学会での広報活動を通し,研究課題の位置づけおよび有用性について検討を進めた。理論的な分析にとどまらず,地域経済の実証的分析を行った。これは,コロナ禍を踏まえた小地域の経済的損失の計測という社会的要請にこたえるためのものである。その過程で,都道府県表をもとにした小地域表の簡易的な推計方法の実践を当該年度の研究課題の一つとして追加した。これまでの研究成果を複数の学術雑誌で公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
分析モデルの概念整理および基礎データの収集と整理を継続して行う。並行して,国際的な研究動向の概観を行い,日本の地域産業連関表を用いて様々な連関性指標の実証的な検証を行う。2015年版の都道府県産業連関表が公表済みであり,2024年度中には2020年版の全国表が公表予定である。それらの統計資料の整理を進める。また,各自治体の作表担当者への聞き取り調査を進め,行政側から見た地域産業連関表作成および利活用の課題を整理する。同時に,地域産業連関表の地域経済政策への応用例の収集と検討を行う。本研究課題の研究対象である地域経済の産業部門間の連関性指標を地域の経済政策に生かすべく,地域経済の実証分析を進める。さらに,市町村等の小地域経済の産業構造を把握するためには,都道府県の公的な産業連関表から小地域表を推計する必要がある。そのための簡便な推計方法(ノン・サーベイ法)には様々なものがあるが,それらの比較・検討を本研究課題の目的の一つとして追加する。
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