Reconstruction of the Socioeconomic History of the Medieval and Early Modern Periods in the "Ise Jingu Area," the Birthplace of Japan's First Banknote "Yamadahagaki
Project/Area Number |
22K01603
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07070:Economic history-related
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Research Institution | Doho University |
Principal Investigator |
千枝 大志 同朋大学, 仏教文化研究所, 研究員(移行) (00609969)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 山田羽書 / 伊勢神宮門前町 / 貨幣・金融・信用 / 御師 / 伊勢信仰 / 私札 / 藩札 / 信仰経済 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日本初の紙幣である山田羽書(やまだはがき)の実像の明確化と、その追求の過程を通じて、山田羽書が生み出された社会経済構造を究明することを目的とする。 特に、かつて研究代表者の千枝が自著(『中近世伊勢神宮地域の貨幣と商業組織』)の中で《伊勢神宮地域》と定義した伊勢国度会郡宮川以東部、すなわち伊勢神宮門前町宇治山田を軸とした地域の信用・金融・貨幣の実像について、中近世の関連史料から、伊勢神宮地域の社会経済史像を再構築することを課題とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
課題解決のため次の学会・研究会等に参加し、現地調査等を実施した。①第2回ブルガリア貨幣学会議準備会(6月3日@愛知)、②10th Joint Meeting of ECFN and Nomisma.org & 2nd BulgNR TOGETHER(6月17~25日@東京・ブルガリア ※含調査)、③名古屋の旧町名の復活を目指す有志の会〈第131回例会〉(7月22日@愛知)、④中世史研究会50周年記念大会(9月26日@愛知)、⑤第112回経済史研究会(10月21日@大阪)、⑥現地で学ぶセミナー(11月23日@三重)、⑦貨幣金融史研究会(1月6~8日@愛媛 ※含調査)、⑧大ナゴヤツアーズ(1月21日@愛知)、⑨第2回中近世伊勢社会経済史研究会(2月9~11日@愛媛 ※含調査)、⑩名古屋の旧町名の復活を目指す有志の会〈第138回例会〉(2月17日@愛知)、⑪史料調査(2月29~3月1日@東京)、⑫「新・蔵くら談義19」(3月10日@三重)、⑬三重県歴史教育者協議会 記念講演(3月20日@三重)。成果として次の刊行物を発表した。①「近世伊勢国における紙幣の存在形態と流通様相:山田羽書の発行構造と諸藩札の関係をめぐって」(『“出入り”の地域史』雄山閣、単著)、②Yamada Hagaki(山田羽書): An Investigation of Japan's Oldest Private Paper Currncy-A Numismatic Study of Japan's Oldest Private Paper Currency in the Tokugawa Period(『経済史研究』27号、単著)、③『街道今昔 三重の街道をいく』風媒社、共編著 ※「〈街道文化遺産〉としての山田羽書」等を執筆)。以上により、山田羽書の発生と展開を伊勢御師の活動と関連させて解明することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当科研費研究の2年度目にあたる2023年度は、主として、①国際会議(第2回ブルガリア貨幣学会議)、②国内学会・研究会(中世史研究会50周年記念大会・(大阪経済大学経済史研究所)第112回経済史研究会等)への参加、③本科研主催の研究集会(第2回中近世伊勢社会経済史研究会)の実施という3つの枠組みで研究に取り組むことができたと考える。進捗状況としては、①と②はほぼ当初の計画通りで遂行でき、③は前年度に開催した実績を踏まえた上で中近世伊予をめぐる伊勢御師関係史料を発見したことを契機に企画した新規事業である。とりわけ、①により、日本貨幣史研究の最前線を国外発信することができたことは大きく、また、古貨幣学(numismatic)的手法からの日本紙幣史研究を推進することが必要であることを痛感できたことは今後の研究を進める上で有益な経験となった。さらに、そのような国際会議での経験をもとに、本年度は古貨幣学の手法を応用した山田羽書に関する英語論文を発表することができた。加えて、山田羽書を生み出した場である〈伊勢神宮地域〉の地域構造は、伊勢信仰の普及の担い手である伊勢御師の全国的な〈信仰経済〉面での諸活動に支えられていたという様相を、伊勢御師関係史料(橋村家・太郎館家・北家・河井家等)の調査研究からより具体的な実像を窺うことができた。しかし、③(松山大学図書館以外の内子町内といった愛媛県内調査)の調査などは当初の予定にはなく、また①(国際会議)の参加についても本科研費研究の計画段階では存在しなかったことなのでそれらの調査等に時間がかかり、天理図書館や三井文庫といった本来予定していた訪問すべき史料所蔵機関への訪問ができなかった点が課題として残った。そのため、次年度はそれらの面に集中的に対応し課題解決を図る所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年は、日銀券が新しくなるという事情もあってか、中近世の伊勢神宮地域をめぐる貨幣や信仰関連の研究発表や講演が既に複数(立教大学経済学部歴史部会ワークショップ・若狭路文化研究所主催美浜町教育委員会教育ゼミナール連携講座・(公財)兵庫丹波の森教会丹波の森公苑主催講座「丹波学」・中世史研究会例会等)予定されている。そのため、それらを重点的に取り組んでいくことで当該研究の進展を図るつもりである。また、当該研究に関わる個人所蔵史料の一部(伊勢御師河井大夫家関連文書・後期山田羽書関連文書等)の調査・研究が可能になったため、その翻刻作業等を進めていく予定である。以上のように、2024年度は前年度と同様に当該研究を進め、その成果公開に努めたいが、特に本年度は当科研費研究の最終年度に該当するため、何らかの形で研究成果の報告(図録や研究報告書の刊行等)を行いたいと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)